K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

渋谷毅,武田和命: Old folks (1985) モンクの曲の響き

 一昨日のDVDと同じく、10年ほど前に出たブート紛いのCD。ナショナルのWラジカセで録ったものだそうだ。それから30年、武田と川端はこの世を去って、ナショナルもWラジカセも死語。 ただ渋谷さんだけは、今日もどこかで呑みながらピアノを弾いているのだろう。

 ジャコのニューヨーク・シリーズなみのブート的音源なのだけど、聴いていて、そんなことが些細、瑣末なことである、ことが、とても凄いなあ、と思うのだ。何回目かな、今日。

 先日のDVDは武田さんのテナーに気持が持って行かれたが、このアルバムは渋谷さんのモンクの曲。一瞬のトーンの煌めきが、モンクの曲の美しさを見事に表現しているのだ。ミシャのアルバムを聴いたときと同じくらい、驚いた。そう、何となくモンク・コルトレーン、といった趣なのだけど、これも瑣末な後知恵に過ぎなくて、ただただ音が溢れ、流れていた、贅沢な時間・空間が見事に届いているのだ。

追記:このジャケットはアケタの店、でなく、紀伊國屋裏にあった昔のピットインだそうだ。そこで1980年か1981年に山下洋輔とともに国仲勝男、武田和命、林栄一を聴いたことは忘れられない。

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渋谷毅,武田和命: Old folks (1985, Aketa's disk)
1. Now's The Time
2. Old Folks
3. Let's Cool One
4. Round Midnight
渋谷毅(p), 武田和命(ts), 川端民生(b), 藤井信雄(ds)
1985年12月23日に「アケタの店