K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Sinikka Langeland@もっきりや(4月9日)民族音楽を纏った今の音


4月9日 金沢・もっきりや
「北欧伝統楽器カンテレと歌 「フィン族の森」より
= = = 動物たちとの不思議な出会い」

Sinikka Langeland: kantele, vocals
Nora Taksdal: viola
Trygve Seim: tenor saxophone
Markku Ounaskari: percussion

----------------------------------------------

 上記の告知が出てから、とても楽しみだった。ECMでの録音奏者を金沢で聴くことができるのは、(ボクにとって)はじめて。多くの奏者がそうなのだけど、ECMでの音楽とライヴには微妙な差があり、その微妙な部分がまさにプロデューサーであるプロデューサーによる「調整」なのだと思う。ECMの「空気」、高い透明度、低い温度感、背後の沈黙を想起させる奥行きのある音、そのような空気、からはみ出た部分がカットされ、あるいはイコライズされ仕立て上げられていく。

 そんなこともあり、事前にCDも聴いて、そのあたりも楽しみにしていた。

 ノルウェイの奏者3人とフィンランドの奏者1名(打楽器)。ノルウェイのSinikka Langelandがkantereと唄で「フィン族の森」というテーマ。kantereは下の写真にある琴のような弦楽器(ピアノの上とあわせ2台)。

 さて聴いてみると、おおむねECM的な静謐な音。柔らかいアコウスティックな音が気持ち良い。どの楽器も抑制的ではあるが、よく造り込まれた音楽だと思った。と同時に、民族音楽を装って、その纏の中にあるFree jazzやnoise musicへの強い関心が垣間見えた、がとても面白く、その部分が微妙に「今のECM」から逸脱していて、面白かった。

 それにしても仙人のようなサックス奏者のブロウ、素晴らしかったなあ。Trygve Seim,ちょいと気になる奏者。

 (追記:10以上前からECMからアルバムを出していた! 最近のはフォローしていないからなあ)

 素晴らしいセッション。平賀さん、大沢さん、ありがとうございました。