何回か記載したが、間違いなく一番好きなアルバム。B面2曲目の飛翔感から3曲目への疾走感、そして彼のナレーションを聴き終わった後の喪失感。いつも心を揺さぶられる。
長い間、ボクが聴いていたのは蘭Fontana盤。ステレオ盤。レコード番号だけを見るとオリジナルと同じ。しかしオリジナルはモノラル盤。これはステレオ。しかも疑似ステレオ、らしい。もっとも音質は良好で、聴者に肉薄するような強度もある。演奏だけでなく、録音の強さ、も魅力。
ところが、このステレオ盤の素性が分からない。10年位前にユニオンの関内店で買ったもので、2000円はしなかった。だから、オリジナルに準じてすらない、と思う。オリジナルに忠実な再発盤だと思う。だけど、網羅的な情報が載っているDiscogsにも記述がない。謎のFontanaステレオ盤。
さて、レコード蒐集のなかで、好きなアルバムはオリジナル(あるいはオリジナルに準じた録音)で欲しい、と思っている。このアルバムのオリジナルである、フォンタナのモノラル盤も欲しい1枚だった。しかし、たまにみかけるオークションなどでも非常に高価。手が出なかった。先日、ギリシャのディーラーから出た1枚は過去最安値(といっても高価)であり、手を出せる限界(デビー+アルファ円)だったので賞与月を待って注文した。それが本日届いた。
紙質は厚め。たしかにステレオ盤は1980年頃のフレッシュサウンドのようなペラ・ジャケット。
レーベルははっきり異なる
さて音質だけど、とても素直な自然な感じの音。音圧は高く、ドラムも迫力がある。奏者との距離を一歩詰めた感じ。満足。ただ、ステレオ盤は疑似ステレオでの音処理でやや不自然なエコーが入っていること、シンバルの音がおかしいこと、を除けば、かなり聴ける音であることも再確認した。ひょっとすると、1960年代のモノラル盤の後にそっとステレオ盤が出たのかも知れない。
このアルバムもこれから随分聴くような気がする。気持ちよい音なのだ。