この地に来て思うのは、春秋が短く、夏そして冬が延々続く感じ。
月曜日には釣りの師匠と安江で一献。ゆっくりと丁寧に、姿良く焼き上げられた鮎に眼を奪われた。口に含んだときの苦みと、苦みのなかから沸く匂い、に夏を知った。今年の初鮎。
夏は嫌い、だった。暑さがかなわないから。渓流釣りをはじめてから、感覚が変わった、気がつくと。汗を拭いながら、川面の風に吹かれるような瞬間が好きだ。光が溢れる北陸も悪くない。小さな川の源流域で、澄んだ水のなかで魚体が光りを乱している。そっと引き寄せる。針を外した頃に、風でブナの葉が揺れていた。
今朝は七から八寸のイワナを何本か釣り上げ、そして夕餉に供している。ゆっくりと確実に季節が動いている。