K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chassol: Indiamore (2013) インドへの、視点

 水曜日にCDが届いた。シャソールの追加2枚。

 先日聴いたBig sunから、時間的に遡る聴き方となるが次はIndiamore(2013)。CDのケースのなかに入っていたヴィデオのDL情報をもとに.movファイルをダウンロードし、映像とあわせて見る。

 Big Sunはマルチニクの映像をもとにしたアルバムであったが、これはインド。インドで収録した映像をもとに、Big Sunと同じ手法、現地の音(ヒト、モノ、楽器)を使い、ミニマル的な手法で再編成している。インドの音が切り取られ、ミニマル的に繰り返す中でシャソールの鍵盤の音がゆっくりと重ねられ、リズムが乗ってくる。異質な音を組み合わせているようで、その「継ぎ目」は全く自然で、自然な音のうねり、のようななかでグルーヴが高まっていく。気持ちの良さは尋常じゃない。

 映像を見ていて気がついたのは、インドに異質なものを見るのではなく、同質のものを拾い出す暖かさ。全く同じ眼の高さで暖かく眺めている、彼の視線を追っていくような感じ、が逆に「良い意味」での違和感を感じた。ボクがはじめて、そして一回だけの、インド滞在で感じた強い異質感(タイやヴェトナムで感じた同質感から強く断絶した)とは全く違う感情が流れている。シャソールのルーツはマルチニクらしいのだけど、クレオール世界にはインド人も中国人も商売人として関わっていると思うので、我々よりは距離感は近いような気がする。西洋人や日本人のインド礼賛のようなバイアスがない。だからこその気持ちの良い音としての仕上がり、じゃなかろうか。あの「気持ち悪さ」は全くない。

 

この映像と音はアルバムのなかでは異質。ミニマル的なピアノが気持ちよい

 

全般的にはこっちの感じ。暖かい。

 

シタールのインド的な音世界を再編していく流れが凄い

 

 

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Chassol: Indiamore (2013, Tricatel)
1. TWO LINES
2. LITTLE KRISHNA & THE GIRLS
3. DOSIDOMIFA (PART. I)
4. DOSIDOMIFA (PART. II)
5. ULTRATHEKA N°1 (PART. I)
6. ULTRATHEKA N°1 (PART. II)
7. XIXTH CENTURY
8. TUNTUN
9. « DIN A DIN »
10. HARÉ RAMA, HARÉ KRISHNA
11. FIDDLER IN THE STREET
12. DRUMACHINE
13. ULTRATHEKA N°2
14. GANGA
15. RIVER SONG
16. OUR FATHER
17. MUSIC IS GOD MY LOVE
18. ODISSI (PART. I - MAKING-UP)
19. ODISSI (PART. II - ÉMOTIF)
20. ODISSI (PART. III - FAREWELL)
21. SHOWING MY FRIENDS
22. GÉNÉRIQUE