K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Kamasi Washington: The Epic(2015) 力作、には違いないが

 ジャケットを見た瞬間、思い出したのは、(スミマセン)、永井豪の「オモライくん」。40年くらいの記憶の底から飛び出して笑ってしまった。ネットで「オモライくん」を探したら、全然似ていなかったけど。衣装が「こも」に見えたんだよね。職業としての乞食が消えて(ホームレスと乞食は違う)、もう何十年になるのだろうか?

 それはさておき、カマシ・ワシントンの3枚組大作。1枚目は何回か聴いたが、2枚目以降は聴いていなかった。根気がないのである。今日は、大阪の実家に荷物を取りに行った帰り、金沢までの道のり、で聴いたが、一本調子で飽きたなあ。1枚で良かったような気がする。変化がないのである。

 1枚目を聴いた瞬間、ファラオ・サンダースのJourney to the oneを思い出した。1980年頃、店頭に並んだ西海岸のレーベルからのレコード。コルトレーンの色を残しながら、西海岸的な爽やかさ、のような風を感じさせる快作だった。それを最近ではspiritualというようだけど、なんだかなあ、分かったような分からないようなコトバ。軽快なドライヴのうえでのブロウ、それが全て、じゃないのかなあ。

 カマシも頑張っていて、とても好感が持てるのだけど、冗長な感じと、引き出しの少なさが気になった。だけど、クラブ・ジャズ(って云うのかねえ)のフェイクっぽいハード・バップよりは、とても好感を持った。先人に対する強いrespectを感じたからね。スタイルのコピーではない、精神的な紐帯のなかでの。なんだ、ボクもspiritualを使っちゃった。

 

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Kamasi Washington: The Epic(2015, Brainfeeder)
Disc 1: The Plan
1. Change of the Guard 12:15
2. Askim 12:34
3. Isabelle 12:12
4. Final Thought 6:31
5. The Next Step 14:48
6. The Rhythm Changes 7:45

Disc 2: The Glorious Tale
1. Miss Understanding 8:46
2. Leroy and Lanisha 9:24
3. Re Run 8:19
4. Seven Prayers 7:35
5 Henrietta Our Hero 7:13
6. The Magnificent 7 12:48

Disc 3: The Historic Repetition
1. Re Run Home 14:06
2. Cherokee 8:14
3. Clair de Lune 11:07
4. Malcolm's Theme 8:40
5. The Message 11:11

Kamasi Washington(ts), Ryan Porter(tb), Igmar Thomas(tp), Brandon Coleman, Cameron Graves(key), Miles Mosley, Thundercat(b), Ronald Bruner, Jr., Tony Austin(ds), Dwight Trible, Patrice Quinn(vo), Leon Mobley(perc)