K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Anatory Vedernikov: Herman Galynin, Dmitri Shostakovich / ソナタ集 (1971) ECMの音/メロディアの音

Anatory Vedelnikov: German (or Herman) Galynin/sonata Triad, Dmitri Shostakovich / Sonata of no.2 (1971, Melodia)
Сонатная Триада ( Г. Галынин)/sonata Triad(Herman Galynin)
A1. Соната Си Минор
A2. Соната Ми Минор
A3. Соната Си Мажор
СонатаСи Минор2, Си Минор, Соч. 61 (Д. Шостакович)/Sonata of no.2(Dmitri Shostakovich)
A4. Allegretto
B1. Largo
B2. Moderato. Allegro Non Troppo
Анатолий Ведерников/Anatory Vedelnikov (p)

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ECMの音、も決して嫌いではない。児玉桃のアルバムは確かにECMでの潤色的な音響で魅力を増している。他レーベルのメシアンを聴いてみたが、どうも、なのだ。

しかし、その潤色がピアノの輪郭を侵食し、どうもスッキリしないのも事実。

今朝は久しぶりにソ連盤、メロディアのヴェデルニコフを聴いているが、軽い残響、粒立つピアノ、強靱なタッチ、それらが矛盾なく納まっていて、実に美しい。以前、一緒に聴いた友人には、「録音失敗したらシベリア流刑だから気合いが違うんじゃないの」なんて無駄口を叩いたが、そんなレベルの凄さ。

DENONのCDで聴くヴェデルノコフも決して嫌いではないのだが、セピア色の音なんだよね。遠い記憶のような。

今、メロディア盤に針を下ろすと、目の前で彼は生きている。

 

[2015-11-30] ピアノが奏でる不安の心象

  これも旧ソ連、ブレジネフ時代のメロディア盤。ヴェデルニコフガリーニンとショスタコーヴィチソナタ集。やはり録音は素晴らしい。溜息が出るような透明度が高い、無垢の音、だと思う。

 気温が急降下し、いよいよ冬の到来になってきて、このような音楽の素晴らしさ、が心身ともに染みいるようになってきた。CDで聴く音色は少し暗い感じで、その音がある種の叙情を感じさせるような感じなのだけど、レコードで聴くとピアノそのものの音があって、その音が計り知れない不安を帯びている感じが良く伝わる。modern ageの暗部を遠望するような、不安な心象が伝わる。特にB面のショスタコーヴィッチの曲を聴くとそう感じる。

 音数の少ない弱音での余韻のあるピアノの音、そのピアノが奏でる不安の心象が、21世紀の今、我々に経済的享楽を与えたPax Americanaがゆっくり消え去ろうとしている時代の不安、をなぞっているようにきこえる。

[追記]

 亡父のオーディオ用品を見ていたら、DENONのDL-103Rが出てきた。さっそく、コレで聴いている。ピアノの音が素晴らしい。

 

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Anatory Vedernikov: German (or Herman) Galynin/sonata Triad, Dmitri Shostakovich / Sonata of no.2 (1971, Melodia)
Сонатная Триада ( Г. Галынин)/sonata Triad(Herman Galynin)
A1. Соната Си Минор
A2. Соната Ми Минор
A3. Соната Си Мажор
Соната �� 2, Си Минор, Соч. 61 (Д. Шостакович)/Sonata of no.2(Dmitri Shostakovich)
A4. Allegretto
B1. Largo
B2. Moderato. Allegro Non Troppo
Анатолий Ведерников/Anatory Vedelnikov (p)