K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Andre Marques: Viva Hermeto (2015) ふつーのジャズじゃん

  先週、お茶の水のディスク・ユニオンで見かけて、とにかく連れて帰ったCD。ブラジルのピアノ奏者がパスコアール・カヴァーってだけで、痺れてしまった。

 最近はメーマリ、ローレロイなど、ブラジルのピアノ弾きに痺れているので、素材がパスコアールとなると、文句なく最強、だと思ったのだ。

 ワクワクして聴いてみると、ふつーのジャズじゃん、って感じ。実にしっかりしたジャズ。足回りがジョン・パティトゥッチとブライアン・ブレイドだしね。

 だけど足りない。怪しさが。パスコアール、ジスモンチ、ヴァスコンセロスの呪術的な怪しさ、森の中から沸き立つような始原の匂い、そんなものが現代ジャズの語法のなかで埋もれて見えてこない。何か、肩すかしにあったような、うーんという感じ。ジョン・パティトゥッチのベースが何だか気にくわないし。(ブレイドはしっかり引いたサポート。うまいっ!)

 きっとジャズとして悪くないし、いや素晴らしいと思うのだけど、脱臭したパスコアールって、どうなのよ。何だかなあ。

[追記]多分、エキセントリックな面を強調されがちなパスコアールの曲の美しさ、を教えてくれていると思う。ただ聴き手(ボク)がエキセントリックさを求めてるので、すれ違っている。そんな印象で、いいアルバムなんだけど。

 

 

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André Marques: Viva Hermeto(2015, Boranda)
1. O Ovo (Hermeto Pascoal/ Geraldo Vandre) 05:45
2. Bebê (Hermeto Pascoal/ Yana Purim) 07:54
3. Coalhada (Hermeto Pascoal) 05:46
4. Ramos de Girassol (Hermeto Pascoal) 03:31
5. Menina Ilza (Hermeto Pascoal) 06:25
6. Tacho (Hermeto Pascoal) 05:40
7. Ferragens (Hermeto Pascoal) 05:51
8. Música das Nuvens e do Chão (Hermeto Pascoal) 02:11
9. Capivara (Hermeto Pascoal) 06:35
10. Quaraquaquá (Hermeto Pascoal) 05:20
11. Chorinho pra Ele (Hermeto Pascoal) 02:24
12. Na Guaribada da Noite (Hermeto Pascoal) 04:28
13. Boiada (Hermeto Pascoal) 05:27
André Marques(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)