K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

ソウルパワー(2010年)1974年のライヴ@キンシャサ


  抜群に面白いドキュメンタリー・フィルム。1974年にザイール共和国(現コンゴ民主共和国)の首都キンシャサで行われたライヴの記録。モハメッド・アリのザイールの試合に先だって行われたもの。公民権運動の後の高揚感が真っ直ぐに伝わる。

 モブツ政権時代のザイールは割と平穏だったみたいで、独立後のカタンガ紛争、コンゴ動乱がうそみたいな平和な雰囲気。ニューヨークのほうが危険だ、というセリフがある。白人警官が武器を持って襲ってくるからね、のような。

 映画のプロモートにはジェイムス・ブラウンが全面に出てくるが、中身はさほど。魅力的な奏者が並んでいる。本当に楽しめた。

James Brown ("Soul Power"),
The Spinners ("One of a Kind"),
OK Jazz featuring Franco,
Bill Withers ("Hope She'll Be Happier"),
Miriam Makeba ("Qongqothwane" a.k.a. "The Click Song"),
B.B. King ("The Thrill Is Gone"),
Pembe Dance Troupe,
The Crusaders ("Put It Where You Want It"),
Fania All-Stars featuring Celia Cruz,
Danny "Big Black" Rey,
Afrisa featuring Tabu LEY,
The Mighty J.B.'s ("Cold Sweat")
Manu Dibango

マヌ・ディバンゴの映像には驚いたが、格好よかった。あとビル・ウィザーズも渋かった。そうそう、カールトンが入ったクルセイダーズも。

 そう1974年って、こんな感じの黒人音楽が隆盛で、その端っこにマイルスやハービーがいて、ジャズにこの空気を持ち込み(大いに変容しているが)、一方で欧州ではECMで今のジャズが胎動しはじめた、って時代ね。