21世紀の驚き、といえば、Hard Boperであった筈のウェイン・ショーターが未だ尖った音を出し、鋭くジャズを主張していることだろう。ボクがジャズを聴きはじめた1980年頃の同年配はswing ageを活躍したライオネル・ハンプトン、ベニー・カーターなどなど、元気ではあったが、時代とともには歩んでいなかったから、凄いこと、だと思う。
このアルバムはショーターのバンドのショーター抜き。それでいてショーターのバンドであることが強烈に主張され、存在しない彼が中心になっている、ように聴こえるくらい満足度が高い。よく編曲されていて、ジャズ的な刺激的なフレーズの応酬があって、楽器そのものが美しく響いて、いわゆる現代ジャズで満たされきない「何か」、があるように思えてならない。満腹感があるアルバム。
このアルバムもapple musicにあって、音質的には不満があって、買うかどうか考えているが、多分、買わない。ディジタル音源はapple musicでいいんじゃないかなあ、と思いはじめている。費用をレコードに突っ込んでいる、こともあるけど。そんなことよりも、深海のようなライブラリーのなかに潜り続けていてもいいかなあ、と思うこの頃。特にアヴァンギャルド系の音楽の充実には眼を見張ることがあって、少し数を聴きたい、と思っているから。
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Danilo Perez, John Patitucci, Brian Blade: Children Of The Light (2015, Mack Avenue)
1. Children of the Light 6:54
2. Sunburn and Mosquito (dedicated to Carolina) 4:35
3 Moonlight on Congo Square 5:00
4 Lumen 4:24
5. Within Everything 3:22
6. Milky Way 3:40
7. Light Echo/Dolores 9:49
8. Ballad for a Noble Man (in memory of Doug Sommer) 4:32
9. Looking for Light 5:31
10. Luz del Alma 2:38
11. African Wave 5:25
Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds)