K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

中村達也: Rip-Off (1980) 突き上げるグルーヴ感

最近は買ったCDを覚えてられなくて、慎重に慎重に確認して購入。とりあえずiTunesでライブラリ化するのも、そんな理由もある。レコードは不思議と大丈夫(な場合が多い)なのだけど。ジャケットの図案の認知、が大きいと思う。

そんな情けない昨今と違い、若い頃(このアルバムが発売された1981年)のことは、このアルバムを買ったレコード屋(心斎橋の楽器屋だった)まで覚えている。無駄な記憶だけど。

当時でも、その豪華メンバーに驚いたアルバム。中村達也は既にQuarter(だったか)などのアルバムを出していたが、これはアダムス買い。アダムスは予定調和的爆音で期待通りだったのだけど、ヒュー・ローソンのスマートなマッコイ風ピアノも良くドライヴしているし(サンダースとのヒックスのように、アダムスとの相性もよい)、何よりもリーダー中村達也の抑制気味ではあるが、突き上げるグルーヴ感が素晴らしい。定番のリッチモンドと比べて、異なったヴェクトルの「突き上げ感」のようなものが好ましい。で、全体として、当時の日本のジャズ的な空気を少なからず感じるのだ、この凄いメンバーで。

きっと名盤のような扱いではないと思うが、なかなか捨てがたい好盤が少なからずある。これは典型的にそんな一枚だ。時折、無性にかけたくなるレコード。

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中村達也: Rip-Off (1980, JVC)
A1. Rip-Off 13:31
A2. Josh 10:05
B1. Another Mood 3:15
B2. Space Tracks 11:58
B3. Dream Of The Rising Sun 4:07
中村達也(ds), George Adams(ts), Hugh Lawson(p), Richard Davis(b), Abdullah(perc)
Released:1981
Recorded September 27, 1980 at Blue Rock Studios, NYC.