Weather Report: Weather Report (1971, Columbia)
A1. Milky Way (J. Zawinul, W. Shorter) 2:30
A2. Umbrellas (J. Zawinul, M. Vitous, W. Shorter) 3:24
A3. Seventh Arrow (M. Vitous) 5:20
A4. Orange Lady (J. Zawinul) 8:40
B1. Morning Lake (M. Vitous) 4:23
B2. Waterfall (J. Zawinul) 6:18
B3. Tears (W. Shorter) 3:22
B4. Eurydice (W. Shorter) 5:43
Joe Zawinul(p, key), Wayne Shorter(sax), Miroslav Vitous (b), Alphonze Mouzon(ds), Airto Moreira(perc)
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Vitousの新譜と関連して、久々に聴いている。何となくJaco以降のWeather Reportのアルバムは、今となっては聴くのがしんどいアルバムが多いように思える。Black Marketまでじゃないかなあ、と思う。今でも素晴らしいなあ、と思えるのは第一作である、このアルバムに尽きるのでないかなあ、と思っている。
ピアノとサックスが謎のように響く幻想的な一曲目から、エフェクターが聴いたベースの音が唸る二曲目の導入の期待感、そのあたりで名盤たる予感に満ちている。
曲自体が幻想的であり、全体としてヴィトウスの音造り、Spacyな感じ、がよく出ている。ジャズ的な即興の味も美味しいし、リズムも様々で曲ごとに楽しませる。
面白いのは、ザヴィヌルの曲がマイルスのIn a silent wayの延長線上にある幻想的なもので、浮遊感があること。後年のearthyな感じと全く違い、ヴィトウスとの相性は良い。
全体的に良く作編曲されているが、ジャズ奏者達の自由闊達な触発も同時に捉えられている。ヴィトウスの云う楽器の間のdirect conversation(直接の会話)とparity(等価性)は、このことなんだろうな、と思う。
ここまで書いて、後年のアルバムの時間劣化はシンセサイザーの多用、かなあと思うのだけど、どうだろうか。ヴィトウスとは全く関係ない話なのだけど。