先週、高熱でダウンしてから静養が続いている。久しぶりに本を沢山読んだのでメモ。
石川県の山や渓谷を歩いていると、すぐ近くに獣がいる、と感じることが多い。カモシカ、鹿、猪、猿、狸、そして熊。自宅から僅か10km圏内に全て揃っている。やはり熊との遭遇が問題で、不幸な出合は怖い。
この本は熊の生態や習性について、体験をもとに詳しく述べている。また季節に応じた植生に詳しく、参考になる。新しい情報はないが、クマがなぜそうなのか、理解を深めることができる。
現在、早朝に渓流に入ることが多く、本書に書かれたクマの習性からすると、危ないことが分かる。
・早朝薄暮の行動、
・夏は沢沿いの植生のなか、
ただ本書の前提は、熊は草食、稀に動物の死体食。決して他の動物を捕獲し、食さない。極めて防護的な振る舞いの動物。人間に対しても、存在を察知すると、姿を消す。聴覚、視覚以上に臭覚が発達し、概ね人間を避け得ている。
そんなことから沢に入るときは、
・鈴を二つ、
・ラジオ、
・笛(特に竿を出しているとき)、
を対策とし、現在、出会ってはいない。ただし、夕暮れの林道で小熊が眼前を横切ったが。また、常時ヘルメット装着で、遭遇時の一撃の緩和を想定している。
この本を読んで、夏の入渓について考えてみると、
・人間を視認し易いが、鈴の音がアピールし難い沢を歩くか、
・鈴の音がアピールし易いが、人間を視認し難く、クマの生存圏沢沿いの杣道(けもの道)を歩くか、
相変わらず悩ましいのである。
また秋田で発覚した人食いツキノワグマは、別の話なので、今後のツキノワグマの食性の変化には要注意、である(鉄砲撃ちの高齢化、減少に伴い、クマの生活圏での、シカの自然死の増加、あるいは猟でのシカの残骸の放置の増加が生じている。これよりクマの肉食化が懸念されていた。)。この本は、そのようなクマの食性変化が報じられる遙か前の、幸せな時代の記録、かもしれない。