もっとCTIらしいもの、と思ってこれにした。
針を下ろした瞬間から強い音圧。確かに違う。タレンタインの図太い、やや臭めのテナーの炸裂感がばっちり。聴いた瞬間に、これはBlue Noteとは異なる1970年代のヴァン・ゲルダーの音なんだと理解。
基本的には音圧を高めるようチューニングがされているが、膜を被る印象を与えるほど高音を削っては居いない。クリアである。それでいて、楽器個々の音は強く吐き出されていて気持ちよい。これは録音機材の進化によるのではないか、と思う。
やはり彼の音楽は黒人音楽と決定的に相性が良い、のでないか。力強さ、を強調し、レコードという限られたハコのなかに限界までエネルギーを詰めていく職人じゃないかと思う。全般的にガツンとした音を吐き出す米盤と相性のよい音を追求し続けた。それは忠実な再生、ということと次元が違うけど。
だからゲッツもエヴァンスの盤の録音も印象が薄い点は否めない。ここ数日、聴き続けて、そのように思えた。
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Stanley Turrentine: Sugar (1970, CTI)
A1. Sugar (Stanley Turrentine) 10:00
A2. Sunshine Alley (Butch Cornell) 11:00
B. Impressions (John Coltrane) 15:30
Stanley Turrentine(ts), Freddie Hubbard(tp), George Benson(g), Lonnie L. Smith, Jr.(p), Butch Cornell(org), Ron Carter(b), Billy Kaye(ds), Richard "Pablo" Landrum* (congas)
Liner Notes: Ira Gitler
Engineer: Rudy Van Gelder
Mastering: Van Gelder
Producer: Creed Taylor
Recorded at Van Gelder Studios
Recorded November, 1970