結局はヴァン・ゲルダーの活動がどのように終焉したのか、気になっている。wikiとかネット情報をみても、CTIの破産(1977年)のあと、クリード・テイラーもヴァン・ゲルダーも目立った活動はなくなっている。おおよそ40年弱前のこと。ヴァン・ゲルダー50代、テイラーは40代後半。どのような後半生だったのだろうか。ヴァン・ゲルダーは過去のアルバムの再マスタリングとか、そのようなアクセスは多々あったのだろうが。
CTI自体のジャズのなかでの位置づけが微妙な感じがあって、それが1970年代のヴァン・ゲルダーの仕事への言及の少なさ、に繋がっている。1979年にボクがジャズを聴き始めたときに感じたことは、ジャズファンのクロスオーヴァーに対する微妙な心理であり、CTIがあたかも存在しないような感じ。
ボク自身もセベスキーの編曲が合わないこともあって、そんな心理を持つ一人であり、ヴァン・ゲルダーも1970年代には見えなくなっているのだ。
今日、最後に聴いたのはヒューバート・ロウズの春の祭典。セベスキー編曲で、演奏はあまり合わない。持っているのはキングレコードのプレス。日本盤なのでヴァン・ゲルダーのカッティングではない。
驚いたのは、その音響空間の豊かさ、である。ヴァン・ゲルダーの録音で、大編成を聴いたのは初めてだと思うが、柳樂氏が最近noteへの投稿で言及しているように、柔らかな、Blue Noteとは全く異なる音響空間を造っている。個々の楽器の音像ははっきりしていて、聴いていて気持ちよい。
当然のことながら、膜を被ったようなイコライザをかけている訳でもない。この1970年代前半が最後の到達点だったのだろうな、と思う。なかなか素晴らしい録音だと思う。
多くのことをやり遂げた彼は、その後、何を考え、どのような人生だったのだろうか。そんな感覚が残った。
疲れたのでVan Gelder聴きは、このへんまでかなあ。
参考記事: