Paul Bley: Ramblin' (1966, BYG)
A1. Both (Annette Peacock) 9:30
A2. Albert's Love Theme (Annette Peacock) 9:23
A3. Ida Lupino (Carla Bley) 3:30
B1. Ramblin' (Ornette Coleman) 5:50
B2. Touching (Annette Peacock) 7:30
B3. Mazatalon (Paul Bley) 7:32
Paul Bley(p), Mark Levinson (b), Barry Altschul(ds)
Cover, Photograph: Guiseppe Pino
Producer: Jean Georgakarakos, Jean-Luc Young
Recorded July 1, 1966, Studio RCA, Rome, released as Volume 13 of the series BYG ACTUEL.
BYG Records – 529.313
Actuel – 1
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[2016-09-04] 美しいメカニカルな仕組みを見ているような、気味の良さ
1966年のポール・ブレイ。ローマで録音された仏盤。Closerはカーラ・ブレイの曲主体なのだけど、このアルバムはアネット・ピーコックの曲主体。
そういえば、の、ブレイ・ピーコックの夫婦間swapって、いつだったのだろうか、と気になった、が分からない。ただ、このレコードのジャケットの写真はアネットじゃなかろうか?
それにしてもCloserの写真もそうだけど、当時30代半ばのポール・ブレイはカッコイイ。モンクのhipな感じ、ブルーベックのsnobな感じ、とも違う、この時代の先を走っているような気負い、なんだろうな。
やはり録音の良し悪しは、アルバムの良し悪しに直結する。ローマで録音されたこのアルバムは、米国録音のCloserよりも、遙かに音響空間をうまく造っていて、左のドラム、右のベースを従え、真ん中のピアノがうまい距離感に置かれている。そして、各楽器のバランスは対等で、インタープレイの様子を克明に捉えている。またECMほどでもないが、淡い残響が付加されていて、それが奥行きを与えている。また、音圧は米盤並みに高い。
だから、ボクのなかでは不評のマーク・レヴィンソンのベースも、実はかなり良く聴こえていて、印象が随分変わった。トリオとして、きちんと噛み合った、美しいメカニカルな仕組みを見ているような、気味の良さがある。これは「フリージャズ」と呼ばれたのだろうが、そんな印象はなく、現代ジャズそのものなのだ、半世紀前の。そして、そのイキゴミが時代のアイコン、のようにも見える彼ら、の立ち位置だったのだろう。
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表
裏
内左:これはアネットかな。
内右