K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chico Freeman : Chico (1977) ロフトジャズの時代

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 彼の初期のアルバム。タイトルはデビューアルバムっぽい(そのような意図だと思う)が、日本のWhynotレーベルから出たMorning prayerが先に出ている。

 このアルバムのA面はフリーマンとマクビーの演奏。骨太、と月並みな言葉しか出てこないが、2人とも、フリーキーにならず、楽器を強く鳴動させながら語り合う。フリーマンはバスクラリネット、テナーサキソフォン、フルートを吹いているが、どれも素晴らしく鳴っている。

 1970年代の「新しい音」が確かにここにあり、未来に対する期待に溢れている。1980年代の主流派たる音、に聞こえたのではないか、当時。

 B面はニューヨークでのライヴ。いわゆる「ロフトジャズ」のセッション。確かにこれも1980年代の主流派たる音を目指して弾かれていたことが分かる。フリー・ジャズのエッセンスを背景に持ちながら、ジャズの中心に迫る力、がある。

 ロフトジャズって、フリージャズからの「ジャズ主流派奪取」の取り組みだったのかな、と思った。もう少し聴いてみよう。

 B面が残念なのは、音質的に劣ること。ピアノがオフ気味で、彼の美音は聴くことができない。

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Chico

Chico

 

 

参考記事:

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Chico Freeman : Chico (1977, India Navigation)
A. Moments 16:31
A1a. Generation
A1b. Regeneration
A2. And All The World Moved... 9:05
B. Merger 16:05
Chico Freeman(ts, fl, b-cl), Muhal Richard Abrams(p), Cecil McBee(b), Steve McCall(ds), Tito Sampa(perc)
Cover Art: James Russell
Merger: Recorded in concert, New York City
Produced by India Navigation Company

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