1976年の名古屋Lovelyでのライヴ。メンバー、内容共に、このアルバムの存在を知ったときからドキドキし、聴きたくなった。
このような「発掘盤」のアルバムは多々あれど、多くはカセットレコーダによる私的な録音の発売であるため、演奏の良さと録音とのギャップ、が気になることが多い。このアルバムは頭幾つか抜けていて、そのような苛立ち、は全くなく、演奏を楽しむことができる。特に豊住芳三郎のドラムが克明に捉えられていて、楽しい。ピアノはややオフ気味であるが、許容範囲。
だからドラム中心に楽しむアルバムになっていて、様々なセッションで聴いたことがあった彼の演奏のなかで、一番迫ってくる、ように思える(リーダ作を持っていないので、聴いてみたくなった)。
繊細なブラッシ、鋭いパルス、そして全般的に温度が低めの加古隆のピアノと共鳴しつつも鼓舞するようなドラムに引っ張られる。高木元輝が吹くと場面は激化し、静謐から沸騰へと変わる瞬間がスリリングだ。
レコードとCDが製作されたようだが、(イマドキ気がついたボクは)CDのみ入手可だった。貴重な記録だ。関係の方に感謝申し上げると共に、他のテイクも入手しやすいCDの製作をお願いしたい(勿論、LP蒼海が欲しいのだけど)。
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関連記事:
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加古隆 , 高木元輝, 豊住芳三郎: 新海(1976, Kaitai)
1. New Sea (新海)
2. Wave (波)
3. Sho-Yoh-Yu (逍遙遊)
加古隆 (p), 高木元輝(reeds), 豊住芳三郎(ds)
Recorded at Nagoya Lovely 1/25/1976
Master: Harumi Hayashi
Photograph: Toshiro Kuwabara
Design: Daisuke Kogi & Yoshi Takahashi
Produce: Yoshihiro Takahashi