K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Steve Grossman: Live At Someday Vol.1 (1987) タマには直球のジャズを

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 たまに思い出したように聴くアルバム。そんなに録音が言い訳でもないのだけど。凄まじい存在感で管を鳴らしきり、聴く者を圧倒するブロウ。来日時にライヴハウスSomedayで行った日本人奏者との共演。バックの3人も実に素晴らしい演奏で支えている。ジャズを聴いている、そんな感触が気持ちの中に溢れてくる。

 1980年代から90年代の仏Dreyfus盤でグロスマンが気になって、聴き出したのだけど、このアルバムを聴くと、後年のものはいささか物足りない。とにかく音の密度が高く、音数と密度が素晴らしくバランスしていて、一瞬たりとも耳を離せない。

 冒頭のimpressionsの音の押し出しですっかり参ってしまう。その昔、FM放送で植松孝夫のimpressionsを聴いてから、この曲がとても好きなのだけど、この演奏はそのなかでもベストじゃないかなあ、といつも思っている。(本家のコルトレーンはともかく)

 グロスマンって、その後次第に音数が減って、たおやかな演奏になっていく印象なのだけど、昨年(だったか)の来日はどうだったのだろうか。再びSomedayで演奏すると知って、心躍ったのだけど。最近の録音では魂を落っことしたような感じでがっかりしたのだけど。

  最近、再発されて入手しやすくなったようなので、是非!

ライヴ・アット・ザ・サムデイ Volume. 1

ライヴ・アット・ザ・サムデイ Volume. 1

 

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Steve Grossman: Live At Someday Vol.1 (1987)
1. Impression
2. Mr. Sandman
3. Out Of Nowhere
4. New York Bossa
5. Oleo
Steve Grossman(ts), 寺下誠(p), 鈴木良雄(b), 吉田正広(ds on 1,2,5), 呉在秀(ds on 3,4)
1987年5月27-31日録音