当時のロフト・ジャズのメンバーやリチャード・デイヴィスと吹き込んだレコード。最近まで知らなかった。CDも出ていたようだ。
今になって聴くとロフト・ジャズも主流派的なジャズそのもので、いまのジャズの中にすっかり溶け込んでいるように思える。これもそんな1枚で、当時はフリー的なジャズのなかで捉えられた、と思うのだけど。
中村達也のドラムには、日本的な間合い、のようなものは感じさせず、このメンバーのなかで自然に叩いているような音。それがいい。1980年のRip-offもそうなのだけど、無理な色づけがないので印象はやや薄いが、当時のジャズの記録として十分に楽しめる。このアルバムでは、リチャード・デイヴィスのベースと中村達也のドラムを軸に、冷たく燃える音が記録されている。最後の一曲は2人のデュオ。
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中村達也: Song of Pat (1976, Trio)
A1. Big Father 9:38
A2. Probe 9:30
B1. Module 8:58
B2. Song Of "Pat" 13:15
Tatsuya Nakamura (ds, perc), Ted Daniel(tp, fr horn, flh), Oliver Lake (as, fl), Richard Davis(b)
Producer: Kazuo Harada, Kuniya Inaoka
Recording: Jerry Garszua*
Recorded March 23 & April 1, 1976 at Masterhouse Studios, New York.