K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

藤本敦夫: BEAT JAZZ (1986) あんまり時代と関係なく活動している人達

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 なんとくなく重篤な橋本フアンのH松氏の影響もあり、ぼちぼち、このあたりも聴いている。これはレコードで入手。さほど高価ではない。

 藤本・橋本によるカラード・ミュージックの続編的なアルバム。現在のUB-Xまで、すっと一直線的に変態を遂げながら、未だ生きている音の祖型。ビートがテーマなので、カラード・ミュージックより、意図的にビートが前面に出ている。電子系の音がやや時代を感じさせるが、電子楽器の奇音に頼った音作り(当時の坂本龍一にはそれを感じてしまう)にはなっていないので、さほど古びてはいない。人の声、管楽器が美味く生かされている。

 それにしても上手く造り込まれた音楽。全く音は違うのだけど、ブラジルの多楽器奏者と似たような匂い、奔放のようで精緻に作られた、を感じる。藤本敦夫自身が多くの楽器を手がける才人(今、ドラム、ここではベース、ギター)であること、によるのかな。それにしても、結局、あんまり時代と関係なく活動している人達なんだなあ、と思う。渋谷毅なんかもそうだけど、どこから切っても彼らの匂いしかなくて、たまたま体裁としてジャズ近辺に居るだけ、だと思う。

 それにしても最後の曲が「憧れのハワイ航路」にきこえないだろうか?

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BEAT JAZZ

BEAT JAZZ

 

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藤本敦夫: BEAT JAZZ (1986, 日本Columbia)
A1. Beat March
A2. You Really Got Me
A3. 競馬場と子供
A4. Shake Shake it and Row
A5. Boxer
B1. Dance
B2. When It’s Flower then it’s Over
B3. Strangers in Island
B4. Colored Music
B5. 人生の星空
BEAT JAZZ: 藤本敦夫(b,g,vo), 橋本一子(key,vo), 木村万作(ds), 酒井泰三(g), 小田島亨(sax), 吉田哲治(tp)

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