K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM2517) Colin Vallon: Danse (2016) ただの清澄なピアノトリオのようで、案外毒っぽい

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先日、ECMから直接届いたLPレコード。最初は酔っていたこともあって、音にピンとこなかったが、音質、内容ともに、面白さを感じてきた。ここ数日、超多忙なこともあって、あまりブログも更新できていないが、こればかり聴いていた。

コリン・ヴァロンはスイスのピアノ奏者。エリーナ・デュニのアルバムで控えめなピアノが美しく好感を持った。このアルバムも、その控えめな感じ、をそのまま維持し、まったく盛り上がりのない、静謐な音をゆっくりと流し続ける。退屈と云えば、そうかもしれないが、ミニマルを基調としたピアノの音と、必ずしもそうでないベース・ドラムの音の重畳が面白く、淡々とつい聴いてしまう感じ。最初は典型的な「現代ジャズ的ピアノ・トリオ」のように感じ、舌打ち感があったのだけど、むしろ、The Necksに通じるような、やや複雑な様相が織り込まれたミニマルのような感触を強く感じるようになった。リズムがたおやかに変化するのである。

同じスイスのニック・ベルチュもミニマルを基調とした音楽ではあるが、随分と違う。ニック・ベルチュはリズムを含めた、柔らかなファンクっぽいリズムの反復も含めたものである。このアルバムでは、ピアノが通奏低音のようなパターンを繰り返す、ところがミニマルっぽいので、そこが違う。

ただの清澄なピアノトリオのようで、案外毒っぽい感じもあるな、って思った。

Danse

Danse

 
Danse [12 inch Analog]

Danse [12 inch Analog]

 

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(ECM2517) Colin Vallon: Danse (2016)
A1. Sisyphe 4:15
A2. Tsunami 6:51
A3. Smile 5:18
A4. Danse 2:04
A5. L'Onde 5:28
B1. Oort 2:02
B2. Kid 6:15
B3. Reste 1:29
B4. Tinguely 4:40
B5. Morn 4:04
B6. Reste (Var.)
Colin Vallon(p), Patrice Moret(b), Julian Sartorius(ds)
Design: Sascha Kleis
Engineer: Stefano Amerio
Photograph: Nicolas Masson
Producer: Manfred Eicher
Recorded February 2016
Auditorio Stelio Molo RSI, Lugano
Released:17 Jan 2017

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