K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chico Freeman, Arthur Blythe: Luminous (1989) 1970年代末の彼らの熱気

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 1980年頃、ジャズの未来を牽引する新しい世代の奏者はマレイ、フリーマン、ブライスとか、India Navigationレーベルに集うロフト系の面々だと思っていた。だから、マレイとブライスを正面に据えたデジョネットのSpecial editionの破壊力は、まさにその証明だと思ったものだ。フリージャズの語法と伝統的なジャズのドライヴ力を具備した音楽は強力だった。フリーマンもその後、special editionに加入したり、眼を離せない存在だった。 

 ブライスが先日亡くなった、というニュースを聞いて、そんな40年近く前のことを思い出した。そんな感覚も雲散霧消したことが、少し切ない感じ。頭の中で、今のジャズと当時のジャズの溝、のようなものが埋まっていない。

 このアルバムは彼らの存在感が「薄く」なりつつあった1980年代末の録音。1970年代末の彼らの熱気、のようなものを想い出させる、素晴らしいライヴ。ピアノのヒックスが光っている。この人もサンダースとの共演で刮目させたが、やはりライヴでバックにまわると強力。B面はヒックスの世界に2管を載せる趣があって愉しい。 

Luminous

Luminous

 

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Chico Freeman, Arthur Blythe: Luminous (1989, Jazz House Records)
A1. Footprints (Wayne Shorter)
A2. Luminous (Elise Wood)
B1. Naima's Love Song (John Hicks)
B2. Avotja (John Hicks)
Chico Freeman(ss,ts,key), Arthur Blythe(as), John Hicks(p), Donald Pate(b), Victor Jones(ds), Norman Hedman(perc)
Engineer: Andy Rose
Producer: Chris Lewis, Pete King
Recorded live 25th February 1989 at Ronnie Scott's Club.

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