K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Ambrose Akinmusire: A Rift In Decorum- Live At The Village Vanguard (2017) なり難しいことをスムーズに行っているような

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最近の通勤のクルマのなかでは、コレを聴き続けている。典型的なジャズの魅力に溢れたアルバムのようで、そうでないように思えたり、昂奮に満ちているようで、そうでもないように思えたり、何回聴いても全体像がうまく結像しないから。ただ、ドコで切り出しても、何かとても面白くて、ちょっとした中毒的な聴き方になっている。

真っ先に思い出したのはショウのアルバムで、割と透明感のある音でまっすぐ聴かせる印象で。リズムセクションとのバランスもよく、4人で上手く一つの空気を作る感じも。そうそう、ハイ・ノートのブロウで安易に盛り上げない、あたりも。

それは単なる印象論に過ぎないのだけど、何よりも面白いのは、4人の音のまとまりがよく、4人の音で聴かせる場面がとても多い、編曲的な要素に魅力があるように感じたこと。早いピッチの曲の緊張感も良いのだけど、遅い曲を弾きながら、分解しそうな音を緩く繋ぎ合わせ、発散寸前まで分解したり、それを少しづつ結合させて一つの方向までゆっくりとまとめていったり、かなり難しいことをスムーズに行っているように感じたこと、も面白かった。

 さすがに2枚組は重くて、怪しい音も混じっているので、編集して1枚でも良かったかなあ、とも思う。イワユル現代ジャズ的な魅力もあるし、Free music的な音響の魅力を感じさせることもあるし、なかなか楽しいアルバム。他のアキムシーレのアルバムも聴きたくなった。それと、久しぶりにヴィレッジ・ヴァンガードも行きたくなった。

A Rift in Decorum: Live at the

A Rift in Decorum: Live at the

 

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Ambrose Akinmusire: A Rift In Decorum- Live At The Village Vanguard (2017, Blue Note)
(DISC 1)
1. Maurice & Michael (Sorry I Didn't Say Hello) 12:28
2. Response 5:38
3. Moment In Between The Rest (To Curve An Ache) 9:44
4. Brooklyn (ODB) 9:44
5. A Song To Exhale To (Diver Song) 6:40
6. Purple (Intermezzo) 2:01
7. Trumpet Sketch (Milky Pete) 14:21
(DISC 2)
1. Taymoor's World 10:29
2. First Page (Shabnam's Poem) 7:46
3. H.A.M.S. (in The Spirit Of Honesty) 5:10
4. Piano Sketch (Sam Intro) 3:31
5. Piano Sketch (Beyond Enclosure) 4:47
6. Condor (Harish Intro) 2:15
7. Condor 5:46
8. Withered 8:26
9. Umteyo 7:38
Ambrose Akinmusire(tp), Sam Harris(p), Harish Raghavan(b), Justin Brown (ds)