K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Milcho Leviev, Charlie Haden: First Meeting (1986) 演奏よし、録音よし

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富山で入手したアルバム。
ミルチョ・レヴィエフとチャーリー・ヘイデンのデュオ。1986年の録音なので、レコード最晩期。多分、そんなに沢山プレスされていないのでは、と思う。日本のアルファ・レコードの制作で、プロデュース・録音はカルフォルニアの知らない人。この時期の日本のレコードの水準は概ね高く、買い、だと思っている。1970年代までの「弱い音」が不思議なくらい。

まず録音が素晴らしいレコード。ヘイデンの重低音が素晴らしく響き、ヘイデンのベースの良さ、が直接伝わる。ピアノの音もケレン味のない、すっきりした音で入っている。録音的に少々がっかりした、ジョン・テイラーとヘイデンとのデュオより、遙かに素晴らしい。

今や忘れ去られた(と思う)ミルチョ・レヴィエフは、当時、英Mole Jazzから、彼名義の実質アート・ペッパー・カルテットのアルバムを出していたので記憶に残っている。今でも良く見かけるし、安価だけど、まだ入手していない。この人のピアノは音数の割りにスピードやノリが少々足りない。しかし、ヨーロッパの人らしく、綺麗には鳴らしていて、ヘイデンが主役とすると、決して悪くない。

ヘイデンの良さは低音でしっかりドライヴする、ベースらしい音だと思う。そして音数が比較的少ないのだけど、一音一音の重みがあり、その音の変化が与えるキレとか速さの印象は多彩である。しかし、考えすぎると空転して、何かワンパターンなフレーズに突進していく感じもある。だから好きなアルバム、苦手なアルバムがある。アクが強いのだ。このアルバムも、B面の「毛主席」が多分にそんな感じだけど、あとはなかなか。

演奏よし、録音よし、のいいアルバムだった。

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Milcho Leviev, Charlie Haden: First Meeting (1986, Pan Music)
A1. When Will The Blues Leave? (Ornette Coleman) 8:29
A2. Nardis (Miles Davis) 5:36
A3. Beaup (Charlie Haden, Milcho Leviev) 2:24
A4. J.S. (Johann Sebastian Bach, Milcho Leviev) 4:50
B1. Monk's Moment (Eddie Harris) 2:52
B2. Chairman Mao (Charlie Haden) 10:52
B3. What'll I Do? (Irving Berlin) 4:29
B4. Silence (Charlie Haden) 4:23
Charlie Haden(b), Milcho Leviev(p)
Recorded at the Gary Denton Studio, Van Nuys, Calif., In The Fall Of 1985.
Digitally Mastered at Tamco Studios, tokyo, August 18, 1986
Mastered by Kimio Oikawa
Recorded by Gary Denton
Producer: Gary Denton

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