空間の断層を貫く音、を聴いたような気分だ。マシュー・シップの音源をbandcampで探していて見つけ、試聴すると即座に引っ張られた。
John Butcherという即興音楽系の奏者と、 Matthew Shippというジャズの巨人に連なる奏者の組み合わせに興味を持った。そして異種間格闘技のようで、シップが広げるジャズ的空間にブッチャーが破断線を引いていくような感じ、が堪らなく快感。それに加え、環境音のように加わっているレーンの電子音が、空間の断層のようなものを造っている、ブッチャーとシップの音が断層を貫く。
近年の即興音楽での電子音の使い方が面白く、イクエ・モリを聴いたり、エヴァン・パーカーのアンサンブルを聴いたりしている。そのなかでも、ジャズ的昂奮、即興音楽的音響、そして電子音の色彩、どれもが面白く美しいアルバム。その偶発的な組み合わせのなかにも、全体の作曲意思のようなものを感じさせる点で素晴らしい。
とっくに聴いておられる方も居ます。さすが...
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John Butcher, Thomas Lehn, Matthew Shipp: Tangle (2014, Fataka)
1. Cluster I 10:41
2. Cluster II 12:19
3. Cluster III 14:09
4. Tiefenschärfe 5:59
John Butcher(sax,effects), Matthew Shipp(p), Thomas Lehn(synth, effects)
Recorded live at Cafe Oto, London on 19 February 2014.