1967年のFreedom盤。これを1970年代後半にAristaが再発。ボクがFree Jazzを聴きはじめた頃、このAristaのシリーズは売れなかったためかカット盤が安価に流通していた。当時、お世話になった。今、creditを見るとマイケル・カスクーナが再発のプロデュース。なるほど。最近入手したこのレコードもカット盤。懐かしい。
(若い人はカット盤って分からないだろうな。ジャケットに切り込みを入れて、新古盤のような位置づけで安価に流通させ、在庫処分していたもの。下の写真)
ボクはマリオン・ブラウンのレコードを何枚か持っているが、あまり聴いていないこともあり、未だ脳内のアドレス不定、よく分からない奏者。今回、ハン・ベニンクのアルバムをピックアップする過程で発見し、聴いてみたが、実にいい。やっと、彼の音がしっくりと頭の中に入ってきた。
アルバム冒頭こそオーネット風であったが、伝統的なジャズの味を残しながら、絶叫的な咆吼に頼らないで、次々と安定した音を繰り出す感じ。そして管の響きが濁らず、とても美しいと感じた。そんな印象を与えながら、ハン・ベニンクの挑戦的なドンドコの繰り出しに対峙している。
ベニンクはドルフィーとのセッションのような明確なビートを刻む訳でもなく、ICPでのセッションのような諧謔的なビートを刻む訳でもなく、全身で力を爆発させるような激しい乱打が続く。その強い盛り上がりのなかで、マリオン・ブラウンも鋭く応酬し、楽しい。
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Marion Brown: Porto Novo(1967, Freedom/Black Lion)
A1. Similar Limits(Marion Brown) 6:25
A2. Sound Structure(Marion Brown) 6:10
A3. Improvisation (Marion Brown) 5:50
B1. QBIC(Marion Brown) 6:32
B2. Porto Novo(Marion Brown) 11:55
Marion Brown(as), Maarten van Regteren Altena(b), Han Bennink(ds)
Engineer – Andre Vande Water
Producer: Foppe Damste
Recorded in Soest, Holland on December 14, 1967.
(DISCOGSから転載、同じレコード)