K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Annette Peacock, Paul Bley: Dual Unity (1970) ブレイのシンセサイザ

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UKのBambooからの再発レコードを入手した。
ヨーロッパでのライヴ盤。シンセサイザの黎明期における実験音楽のようなものじゃないかな。冨田勲のアルバムも、この後じゃなかったかな、と思う。

昔からレコードを見かけた記憶はない。あまり人気がなかったのだ。だからUK盤、日本盤ともに高価で手が出ない。音質はあまりよくない。電気楽器の音がかなり歪んでいる。CDにはない臨場感は確かにあるのだけど。

興味があったのはハン・ベニンクの参加、A面とB1。そこは期待通りで、ミニマル的なシンセサイザ音の繰り返しの中で、やはりハンとしか思えないような、セリ出す音が叩かれていく。しかし高揚感は薄いが、アネットの歌まで辿り着くと、不思議な到達感はある。

ブレイのシンセサイザは電子音に溺れていない。彼の美意識のフィルターがかかっている。だから時代がかった感じを与えないのは流石、なのであるが。

 

追記:

2年後の録音となるScorpioでは、実験音楽的な要素は影を潜め、ジャズ的な音に回帰している。その後、シンセサイザには手を出していないように思える。

DUAL UNITY [12 inch Analog]

DUAL UNITY [12 inch Analog]

 

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Annette Peacock, Paul Bley: Dual Unity (1970, Freedom)
A1. M.J. 17:16
B1. Gargantuan Encounter 4:40
Paul Bley(synth, p), Annette Peacock(p, b, vo), Han Bennink(ds)
B2. Richter Scale 8:10
B3. Dual Unity 3:15
Paul Bley(synth, p), Annette Peacock(p, vo), Mario Pavone(b), Laurence Cook(ds)
Recorded in concert in Europe, 1970.

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