K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

高田みどり:Ton-Klami/ In Moers (1991) ピアノと打楽器の濃密な音空間に対するサックス

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先日、twitterでkyon氏の呟きで存在を知った:

 ネットで調べると安価なものがあって、即、入手。今年は何故か高田みどりのアルバムが気になるのだ。

 佐藤允彦と打楽器、サックスというと、昔聴いた、富樫雅彦、藤川義明という組み合わせを想起する。 富樫雅彦が攻撃的な打音を出せるが故に、内向的な、そして無音の間で音場を表現するならば、高田みどりは逆で、内向的な打音であるが故に連打する音の包絡線で音場を表現しているように思えた。

だから佐藤允彦のピアノも富樫とのセッションの逆で、音を稠密に詰め込み、ゴツゴツした氷のような感触を出している。

 驚いたのは姜泰煥/Kang Tae Hwanのサックス。ピアノと打楽器の濃密な音空間に対し適当な距離をとりながら、音のうねりを延々と出し続ける。佐藤も高田も、彼の重層的なサックスの定礎、のようにすら聴こえる。

寄り添う音が全く異なる、直交する音で編み上げた、異種間格闘のドキュメンタリーであるが、格闘というにも温度が低く不適切と思いながらも、そうとしか書けない、のだ。

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高田みどり:Ton-Klami/ In Moers (1991, Ninety-One)
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高田みどり(perc), 姜泰煥/Kang Tae Hwan(as), 佐藤允彦(p)
Coordinator: 副島輝人
Recorded live at Moers International New Jazz Festival on May 19, 1991.