K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

近藤直司: Desireless (2015) 演奏と録音の共鳴・共振のようなゆさぶり

f:id:kanazawajazzdays:20180802114550j:plain

実に素晴らしいレコード。

この時代に「新しい録音」のLPレコードを入手する意味を自問自答している。少なくとも、この10年くらいのCDの音はレコードを凌駕するポテンシャルを獲得したと思う。だから入手後に頭を掻くようなモノが少なくない。

しかし、これは違った。針を置いた瞬間、演奏直前の緊張感が静謐な空間ともに広がり、演奏が終わるとスピーカに吸い込まれていく。演奏は2人のベースが奏でる重低音の上で、負けじと重低音で唸るサックス。スムーズ、という言葉と対極にある音の森の中は清閑であり、そこに木霊のように楽器が響くような心象。

演奏と録音の共鳴・共振のようなゆさぶり、のなかにあった。我を忘れる瞬間、が確かにあった。

近藤直司のアルバムは30年くらい前、大和にあった足穂でのライヴ盤を入手した。関内・吉田町のリトルジョンに置いてあった「処分レコード(売りたいお客がいたようだ)」の中から取り出したモノ。確か、セクマのマレイのソロとともに。30年ぶりに新しいレコードを入手したことになる。

ふっと20代の後半、関内あたりの盛り場をふらついていた頃を思い出した。

f:id:kanazawajazzdays:20180802114143j:plain

 

creditは以下の通り:

f:id:kanazawajazzdays:20180802114918j:plain

実に美しいジャケット。100枚限定のプレスのようだ。

f:id:kanazawajazzdays:20180802114550j:plain

f:id:kanazawajazzdays:20180802114602j:plain