実に素晴らしいレコード。
この時代に「新しい録音」のLPレコードを入手する意味を自問自答している。少なくとも、この10年くらいのCDの音はレコードを凌駕するポテンシャルを獲得したと思う。だから入手後に頭を掻くようなモノが少なくない。
しかし、これは違った。針を置いた瞬間、演奏直前の緊張感が静謐な空間ともに広がり、演奏が終わるとスピーカに吸い込まれていく。演奏は2人のベースが奏でる重低音の上で、負けじと重低音で唸るサックス。スムーズ、という言葉と対極にある音の森の中は清閑であり、そこに木霊のように楽器が響くような心象。
演奏と録音の共鳴・共振のようなゆさぶり、のなかにあった。我を忘れる瞬間、が確かにあった。
近藤直司のアルバムは30年くらい前、大和にあった足穂でのライヴ盤を入手した。関内・吉田町のリトルジョンに置いてあった「処分レコード(売りたいお客がいたようだ)」の中から取り出したモノ。確か、セクマのマレイのソロとともに。30年ぶりに新しいレコードを入手したことになる。
ふっと20代の後半、関内あたりの盛り場をふらついていた頃を思い出した。
creditは以下の通り:
実に美しいジャケット。100枚限定のプレスのようだ。