黙々とボンバ・レコードから届いた21枚のCDを聴いている。
予備知識もなく、適当に選んだのだけど、外れがない。何れも濃厚なのだ、ボクが好きな日本のジャズの薫りが。
1980年頃に聴きはじめた日本のジャズは、多くの新人も大きなレコード会社から出ていた。今回入手したアルバムは1990年代以降のマイナーレーベル。知らない間に市場構造が大きく変わったようなのだ。そして、一枚一枚の熱量や薫り、のようなものは、より強まっている。聴いていて、ビンとくるのだ。
このアルバムも面白い。仕事場や通勤のクルマの中でしか聴けていないので、音がバランスよく聴けていない。ベースが不明瞭なのだ。それでも、典型的なサックス・トリオから離れた不穏な通奏低音が響いていて、そこをもっと強く感じたい、と思わせる惹きつけが強烈。
小山彰太のドラムは第3期山下洋輔トリオでしか、ほぼ聴いていないのだけど、その稠密なドライヴ感とは全く違う音空間、訥々と突き上げる鼓動、のような広がりが美しい。
そして林栄一の変化する音、美しく、強く、不気味に、速く、そんな音の色彩の移ろいを存分に愉しめた。
ああ日本のジャズはいいなあ、と噛みしめる毎日なのだ。