新年最初はこのアルバムのなかのピアノ・クインテット。昨年、実に良く聴いた。冒頭の甘い音色にやられた。音響的な面白さ、昂奮という意味では、クラシック・現代音楽、アヴァンギャルドなジャズ・即興音楽も同じような愉悦を生むのだけど、クラシック系のそれは、ジャズ系よりも強い、と思っている。器楽の極限のような音、決して奇をてらうことはなく、音響そのもので深く、強く、魅了するのだ。
ピアノはユリアンナ・アヴデーエワ 。アルヘリッチ以来のショパン・コンクールでの女性優勝者、だそうだ(今朝はじめて知った)。若いピアノ奏者であるが、様々な音色で鳴らしていて印象深い。
Wikiを読むと、19世紀末から20世紀半ば過ぎまでのユダヤ人を襲った悲劇が集積されている。ポーランドのユダヤ人として生まれた彼はヒトラーとスターリンによるポーランド分割の際、ソ連に逃れている。曽祖父や祖父を襲ったベッサラビアでのポグロム、両親や妹はナチスの強制収容所へ、本人はスターリンの反ユダヤ政策で逮捕。
曲調はショスタコーヴィッチのものと同じ世界を共有している。詳しくないボクは、ショスタコーヴィッチ集っと言われたら信じるだろうな。ピアノ・クインテットは、小編成ながら、ピアノ協奏曲的な部分もあり、とても楽しめる。ショスタコーヴィッチのピアノとトランペットの協奏曲好き、としては実に楽しく、美味しい演奏なのだ。
- アーティスト: クレーメル(ギドン),ヴァインベルク,クレメラータ・バルティカ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/03/22
- メディア: CD
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(ECM2538/39) Gidon Kremer: Mieczysław Weinberg/Chamber Symphonies, Piano Quintet (2015)のうちPiano Quintet
Piano Quintet Op. 18
Arranged By – Andrei Pushkarev, Gidon Kremer
2-1. Moderato Con Moto 8:10
2-2. Allegretto 6:22
2-3. Presto 6:00
2-4. Largo 14:28
2-5. Allegro Agitato 8:26
Andrei Pushkarev(perc), Yulianna Avdeeva(p), Santa Vižine(violla), Dainius Puodžiukas, Džeraldas Bidva(vin), Giedrė Dirvanauskaitė(violoncello)
Engineer [Recording] – Varis Kurmins (tracks: 2-1 to 2-9)
Mastered By [Mastering By] – Christoph Stickel, Manfred Eicher
Piano Quintet op. 18 (1944)
Recorded June 9/10, 2015 at Latvian Radio Studio, Riga