K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Myra Melford: 12 From 25 (2015) 新年早々ハマったアルバム

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 年末からの「ベスト物記事」をつらつら読んでいると、マイラ・メルフォードのSnowy Egretが随分とあがっている。昨年後半から名前をよく見かけるから、気にはなっていたが、少し聴いても引っかかりがなかった。それが何故か、分からないのだけど、何故かタマタマ聴いたBandcampの本アルバムには抱きつかれた感じ。実に素晴らしい。

実はマイラ・メルフォードは殆ど聴いたことがなかった。同世代のジュリ・アレンは何枚か聴き知っていたが。少しフリー系に寄っているので、知る機会がなかったのか。下記サイトを読んで、ふむふむ、勉強させてもらった:

bandcampのサイトにも書いてあるが、2015年のニューヨーク、ストーンでのライブ。長いキャリアのなかでの幾つかのバンドで演奏している。

何がいいか、音が良い。ピアノの打鍵が強く、音が粒立っていて、濁りがなく美しい。オムニバス的なアルバムでありがちな統一感の無さ、が全く感じられない。彼女の一貫したピアノズムを様々な面から聴かせるものになっている。

そして引き出しの多さ、が面白い。このアルバムでは、過去の様々な取り組みをライヴで聴かせていて、フリー・ジャズから主流派寄りの演奏まで聴かせる。どれも曲が上手くできていて、ジャズへ強い求心力を様々なスタイルで見せてくれる感じ。

いや参った。暫くハマりそうだ。

ここ数年、仕事場でも軽く流してイロイロなアルバムを聴いているのだけど、それじゃ駄目なことも分かった。ある程度の音量で正面から聴かなきゃいけないね。このアルバムの1時間半、夢中になったよ。

追記:

脈絡のないことを書くが、キース・ジャレットも、こんな方向で行ってくれたら良かったのになあ、と思った。若い頃の多様性が縮退していったことが残念。ちょっと近い感じのピアノ奏者だと思ったので。

また同じライヴでの曲が無料DLできる:

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youtubeにライヴ画像があるので、貼っておく。

Myra Melford: 12 From 25 (2015, Firehouse 12 Records)
1. Piano Music 08:12
Duo with Allison Miller(ds)

2. Where Everything Is Music 04:40 
Spindrift with Nicole Mitchell(fl), Tyshawn Sorey(ds)


3. Chorale / 9 + 5 09:18
Dialogue with Ben Goldberg(cl)

 4. 8 + 4 05:54
Trio with Mary Halvorson(g) & Miya Masaoka(koto)

 5. I See A Horizon 07:24
6. Yellow Are Crowds Of Flowers II 08:57
Be Bread with Cuong Vu(tp), Ben Goldberg(cl), Brandon Ross(g), Stomu Takeishi(b),  Matt Wilson(ds)

7. Two But Live 08:45
8. Bound reBound 06:57
Same River, Twice with Dave Douglas(tp), Chris Speed(sax), Erik Friedlander(cello), Michael Sarin(ds)

 

 9. The Kitchen 07:40
10. Bound reBound 07:28
Snowy Egret with Ron Miles(tp), Liberty Ellman(g), Stomu Takeishi(b), Ted Poor(ds)

 11. Be Melting Snow 08:12
Duo with Marty Ehrlich(sax)

 12. Daedalus 10:02
Myra Melford Trio with Lindsey Horner(b), Reggie Nicholson(ds)