Bill Evans: Live’80

Bill Evans:  Live’80(1980, SOMETHIN'COOL)

[Disc 1]
A1.Re: Person I Knew (Bill Evans)
A2.Tiffany (Bill Evans)
A3.Polka Dots And Moonbeams (Jimmy Van Heusen)
B1.Theme From M*A*S*H (Johnny Mandel)
B2.My Romance (Richard Rodgers)
B3.Knit For Mary F (Bill Evans) *Bonus Track
[Disc 2]
C1.I Loves You Porgy (George Gershwin)
C2.Up With The Lark (Jerome Kern)
C3.Days Of Wine And Roses (Henry Mancini)
D1.You’re Story (Bill Evans)
D2.Nardis (Miles Davis)
D3.But Beautiful (Jimmy Van Heusen)
Bill Evans (p), Marc Johnson (b), Joe LaBarbera (ds)
Aug.9, 1980
Live recording at Molde, Norway

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エヴァンスのレコードを緩くフォローしているのだけど、再発がとても多く、ここ２年くらいで随分買ったような気がする。どれも演奏は水準を超えていて、その意味で購入には後悔はないのだけど、録音にばらつきがある。

Resonance recordsのものは、それなりに水準を超えている。正式盤に迫る、と云っても良いと思う。それでも気になるのはディジタル臭というか、そんな感じの違和感は微妙に残っている。発掘テープの質は万全ではないだろうし、テープヒスや歪みを考えると、最善の努力をしている、と思うのだが。

このアルバムはエヴァンスが逝去する直前の欧州ツアーでの録音。ノルウェイでのライヴ。以前はDVDやBlue-rayでも出たものらしい。哀しい性で、レコードの初回のみ限定販売に釣られてしまった。当時、リリースされなかったマーク・ジョンソンを含むトリオという意味で、記録的には重要であるが、さて録音はどうだろう。多くの場合、CDでなくレコードを購入する意味は、レコードであるということ以外はない、と思うのだ。

やはり、当初からアナログがリリースされたコンセクレイションの素晴らしさ、と比較すると、苦しいアルバム。

Bill Evans: Consecration The Last Complete Collection - Music/Book Log

DVDやBlue-rayでの世評は、そもそもが駄目な録音らしい。録音機の回転がおかしく、エヴァンスのピアノが震えるらしい。そんなことを念頭に聴くと、努力賞の音質。聴くレベルまでre-masteringされている。だけど、そのような厳しいdigital re-masteringを施した音源をレコードで持つ意味はないだろうなあ、と思ってしまった。レコードで聴くディジタルでのイコライズの痕跡は、なかなかしんどいものがある。CDで十分、ということだ。

あとマーク・ジョンソンのベースも演奏は良しなのだけど、1970年代らしい電気増幅音がアコウスティックらしさ、を奪っていて、苦しいなあ。

高価なレコードだったけど、やれやれだった。

LIVE'80~最後のヨーロッパ~<受注限定生産アナログ盤> [Analog]

ライヴ '80 ~最後のヨーロッパ~