K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Marion Brown: Sweet Earth Flying

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Marion Brown: Sweet Earth Flying (1974, Impulse!)
A1. Sweet Earth Flying Part 1(Marion Brown) 3:38
A2. Sweet Earth Flying Part 3(Marion Brown) 5:55
A3. Sweet Earth Flying Part 4(Marion Brown) Prince Willie 5:55
A4. Sweet Earth Flying Part 5(Marion Brown) 5:06
B1. Eleven Light City Part 1(Marion Brown) 7:16
B2. Eleven Light City Part 2(Marion Brown) 2:08
B3. Eleven Light City Part 3(Marion Brown) 5:50
B4. Eleven Light City Part 4(Marion Brown) 3:04
Marion Brown(as,ss), James Jefferson(b), Steve McCall(ds, perc)
Muhal Richard Abrams, Paul Bley (p, org), Bill Hasson(perc)
Producer: Ed Michel
Recorded May 6-7, 1974 at Intermedia Sound Studios, Boston, Massachusetts, USA

エブリディ・レコードで入手した日本盤。 

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インパルス盤というと,1960年代のコルトレーンを筆頭に数多くの名盤をまず思い浮かべる。1970年代に入ってもキース・ジャレットのアメリカン・カルテットなど出しているが、往年の盤質からは劣化し、薄いダンボールジャケットにペラペラのレコード。他のレーベル同様、ヴェトナム戦争後の国力低迷時のアメリカの縮図を見るようだ。だから1970年代については日本盤(当時は日本コロンビア、その後日本ビクター)でもいいかなあ、と思っている。盤質はずっと上。

 実際にこのアルバムを聴いてみると、かなりくすんだ、膜が張ったような感じであり、がっかり。しかしながら、どうも「盤が休眠」している問題だったようで、タオルで水拭きすると、かなり復活。やれやれ。

このアルバムの目玉は二人のピアノ奏者、ポール・ブレイとムハール・リチャード・エイブラムス。曲によって交代し、フェンダー・ローズやシンセサイザを演奏している。ブレイの鋭利で冷たい音、エイブラムスの暖かい、グルーヴ感がある音を聴くことができる。二人のローズの音が何よりも時代の音そのもので、聴いていて実に美味しい。
ボクのなかでマリオン・ブラウンのアルバムって、ピンとこない部分がある。ECMの作品がそう。このアルバムはそうでもなくて、曲のスケールの大きさを楽しめる感じがある。そのスケール感に二人のピアノ奏者が大いに貢献しているように思える。

 

Geechee Recollections / Sweet Earth Flying (Impulse 2-on-1)

Geechee Recollections / Sweet Earth Flying (Impulse 2-on-1)