K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Cecil Taylor: Indent

Cecil Taylor: Indent (1973, Freedom)
A1. Indent (First Layer)
A2. Indent (Second Layer-Part One)
B1. Indent (Second Layer-Part Two)
B2. Indent (Third Layer)
Cecil Taylor(p)
Recorded live at the Antioch Theatre, Ohio, March 11, 1973.

-----------------------------------------------------------------------

最近、twitterのタイムラインがセシル・テイラーのレコードで溢れた。誰かが、好きなレコードを質問したのだ。そのなかの幾つかは聴いたことがなかったので、少し気になった。

このIndentもそう。確かブツだけ確保したような気がするなあ(いい加減や)、と棚を探したら出てきた。日本盤。早速、ターンテーブルに載せてみたが、音に不満はない。テイラーのピアノが柔らかく、そしてキレ良く打鍵が収められていた。無理して原盤探す必要はないな、と思った。

テイラーのソロは時として、似たようなフレーズで場面を締めて、次の場面へと遷移していく場合が多い。そのあたりにワンパターン感があって、何となく退屈に思ったりする。同じ時期のSilent Tongueを聴いて、そう思った。

しかしIndentの場合、そのような印象はない。密度高く、緻密に音を打ち込んでいる。そして強い打鍵の残響は抑制し、粒だった音を揺らしながら、様々な音色を作っていて、気持ち良い。粒立ったシーツ・オブ・サウンド、だ。その離散化した音の表面は滑らかで、その包絡線が描く音世界の美しさに、暫し音の海に沈殿しているような感覚に浸っている。 

f:id:dailymusiclog:20190802130359j:plain

Indent

Indent