(会場周辺)
秋のような空のもと、2年ぶりにSukiyaki meets the world 2019(富山県の福野)に出かけた。目当てはAca Seca Trio。
カルロス・アギューレやセバスチャン・マッキらとともに、現代フォルクローレということになっている。アルバムを聴くと、やや冷たい空気感のもと、とても透明度が高い美しい音を聴くことができる。
そんな気分で聴きに行ったが、全く想像とは異なる音を聴いて驚いた。出色の出来だった。まず音のバランスがかなり異なり、ドラムが全面に出ている。そして色彩感がある打楽器だけでなく、躍動感・疾走感のあるドラムが曲の印象をかなり変えている。非常に厚みがあって、またトリオが叩き出す音のグルーヴ感が非常に強く、綺麗な音の バンドという印象を覆す。
3人の創り出す音の密度の高さ、時々刻々と変わる音の色彩感、それらが高いテンションのもとに継続していく。ヴォイスも彼ら自身のものなので、楽器との一体感も凄い。
1990年前後のパット・メセニー・グループ(4人+ヴォイス)の進化形のような音楽であり、3人で同等以上の音や曲の密度を叩き出すので、異様な迫力だった。いや、凄かった。
その昂奮を収めるように、アンコールでは「ふるさと」の合唱から、ステージに降りて打楽器のアンサンブル。エンターティメント性もたっぷり。
帰宅してからCDを聴き直したが、この重厚感は全く伝わらなかった。ライヴバンドとしての凄み、を改めて知った。
富山の隅っこで、このような創造的で趣味が良い楽しいフェスティバルが行われていることに驚きと敬意を表するとともに、関係者・地元の皆様に感謝申し上げます。
(closing)