封切り早々、見に行った。ルウ・ドナルドソン、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコックの元気な近影を見ることができた、まあそれで十分。あと大音量でBNの曲の端切れを聴く、悪くない。僅か1時間30分足らずの映画だけど、案外、お腹一杯。
ただ今のBNのブランディングのような感じ、が予想通りで、気持ち悪かった。個性的なマイナー・レーベルは、オーナーの退場とともに徐々に消えていくのだ。BNもピアソンのプロデュースまで。
UA傘下でのBN-LAシリーズですら、ボクが聴きだした1980年の頃にはほぼ休眠ではなかったかと思う。アール・クルーくらいしか記憶がない。それにしても、別モノ感は強かったと思う。
だから1984年のBN復活イベントはニュースだったし、期待もあった。ライオンが復活ライヴに登場したのにも驚いた。しかし、何枚かレコードを手にとっても、確かにBN-LA時代よりも復活感はあったが、やはり別モノだったのだ。あれはやはり1960年代後半までの、あの空気、あの録音、あのジャケットに宿る何か、なのだ。
だから映画のかなりの部分、今のBNとライオンのBNとの「精神的紐帯」のようなものを主張していたが、愛嬌でしかなっかったのだ。勿論、そのrespectは無視し得ない、と思うが。
ポイント・ポイントでマイケル・カスクーナが出てきて、彼が健在なことを知った。実はそれが良かった。彼から染み出てくるようなマニア的BNへの愛情(そんな風には見えないが)が、何となく楽しかったな。