時間が止まったような地方都市へ。妙に明るく、妙に空虚だ。人通りもほとんどない。
かつて半島の交通の要所であったが、この先にある鉄路の決定的な縮小により、最果て感が強い。
バス路線は分散型であり、鉄道のようなターミナルを中心とした物流の寡占を伴わない。そう昭和の中央集権型の回線交換型通信が分権的なインターネットとなって衰退した日本の産業、地方の商業が重ね合わされる。
苔生す駅前の光景を見て、そんなことを思ったりした。
見上げると地方のお約束のように電話局の鉄塔が見え、もうそこには昭和の頃に沢山据えられていたパラボラアンテナの姿はなく、似て非なる時間の中にいることを知らしめている。