Miles Davis: In A Silent Way (1969, Columbia)
A. Shhh / Peaceful (Miles Davis)
B1. In A Silent Way (Joe Zawinul)
B2. It's About That Time (Miles Davis)
Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ts), Chick Corea, Herbie Hancock(el-p), Josef Zawinul(org, el-p), John McLaughlin(g), Dave Holland (b), Tony Williams(ds)
Engineer: Russ Payne, Stan Tonkel
Producer :Teo Macero
Released July 30, 1969
Recorded February 18, 1969
Studio CBS 30th Street Studio
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久しぶりに聴いてみた。随分前に米国の何処かのレコード屋で買ったもの。ジャケットにレコード痕がつく、使用感たっぷりの盤。レコードも端が若干反っていて、カートリッジが上下する。気持ち針圧を上げて、かけている。聴く前にしっかりクリーニングしたので、音は瑞々しい。電気ピアノの音が実に甘く、美味しい。
1969年のマイルスが気になった。久しぶりに夏の欧州ツアーのライヴを聴いたからだ。古いレパートリー(ラウンド・アバウト・ミッドナイト)からビッチェス・ブリュー以降のレパートリーが入り乱れ、新旧マイルスの結節点のようになっていて、面白いからだ。
その1969年の2月の収録。まだデジョネットは入ってなくて、トニー・ウィリアムス。ハービー・ハンコックも残っている。全てが抑制的で、そして楽器の音響に焦点を当てた内容。だから3台もあるキーボードが、誰が弾いているのか、そんなことを気にする必要もない。トランペットもサックスも譜面を吹くような、抑揚。
しかし音楽としても完成度が高く、聴かせる。ジャズはアドリブの面白さ、なんてことは無いのだ。30年以上飛び抜けて、現代ジャズの指向・嗜好を感じてしまって、驚いた。昔聴いたときに感じた退屈さ、は微塵もなかった。
久しぶりに聴くマイルス、1969年を追ってみようかな。
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保有盤は初期のプレスで2eye。