K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Roy Haynes: Cracklin'(1963) 最初の数音で

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Roy Haynes: Cracklin' (1963, New Jazz)
A1. Scoochie
A2. Dorian
A3. Sketch Of Melba
B1. Honeydew
B2. Under Paris Skies
B3. Bad New Blues
Roy Haynes(ds), Booker Ervin(ts), Ronnie Mathews(p), Larry Ridley(b)
Recording: Rudy Van Gelder
Superviser: Ozzie Cadena
Design, Photograph: Don Schlitten
Liner Notes: Ira Gitler
Recorded in Englewood Cliffs, NJ; April 10, 1963.
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[2020-01-26]休日に
休日に古いレコードを聴きながら、古いメモを書き直すのは、なんか愉しい。

[2017-01-31] 最初の数音で

最初の数音で囚われるような感覚になるレコードは誰にもあるだろう。ボクにも何枚かあるが、これはその1枚。アーヴィンの最初の数音、でがっちり取り込まれた。そのあとのマシューズの突き上げるようなソロ、どっちも世に言う名演か疑わしいし、じっくり聴くと、まあそうでもない。そう聴かせているもの、は、ヘインズが叩き出すビート。早めの曲に彼が与える緊迫感、が素晴らしい、のだと気がつく。だから、ボクがジャズに引き込まれる過程で、何枚か強い印象を残している。マッコイ・タイナーのReaching Fourth、チック・コリアのNow he sings, now he sobsとか

このアルバムもヘインズがリーダなのだけど、案外、引っ込んだバランスで中庸。彼はそんな位置づけで本領を発揮するのではないか、と思う。常に第一線から少しだけ引っ込んだ場所にいて、時代に追随する。70年代はジョージ・アダムスやマーヴィンとバンド(ヒップ・アンサンブル)を作ったり、Kuduからもアルバムを出していたような気がする。そしてメセニーとの共演。そんな感じで、一体何年叩いているのだろうか。ボクが聴きはじめた30年以上前ですら、チャーリー・パーカーと共演した伝説の巨人扱い、だったのだから。

このアルバムは彼のアルバムのなかで一番好み。彼らしい、前面に出すぎない感じがいい。ちらっと聴くとアーヴィンのアルバムのようだ。しかし、そんななかで、音の味はしっかりヘインズが決めている感じ、に気がつく気持ちよさ。

長い間、ヴァン・ゲルダー刻印のアルバムを探していて、ようやく名古屋で出会った。

無論、馬鹿みたいに金出せばオークションで、なのだけどアホくさい。本当は、Prestigeでの二番めか三番めくらいのプレスが最高にCPがいいのだけど(5000円前後でRVG刻印)、これはNew Jazzでのモノラル。想定の倍だけど、高価な感じはしない。帰宅してから聴き続けているからね。モノラルの音圧の高さ、を愉しんでいる。気持ちいい。

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