今年1月末につげ義春がフランスに行った、漫画祭での受賞で。
30年以上前から休筆している彼がまだ健在だという、近年の雑誌記事にも驚いたが、フランスへ出かけた、という話に驚愕。
休筆の頃は不安神経症で、その頃の「つげ義春日記」の陰惨なこと。何かある訳ではなく、内面的に上がったり下がったりの日々をただただ書いている。その不安が実につげ義春なので読ませる内容だけど、陰鬱な気分が見事に移ってしまった。
そのつげよりも先に、藤原マキが亡くなったことも驚きだし、その後のつげの精神状態は良好だと聞いて、意外感に驚いてしまった。
さて、この第2特集、実に分量が少なく、10分くらいでお仕舞い。ちゃらっとした対談もついているが、軽い。全体的に、軽くて明るい「つげ義春」のフランス記なのだ。ななんだか騙されたような気分なのだけど、まあ「つげ義春」生存確認の書だから仕方が無い。物足りなさが半端じゃない「特集」だけど、それもまた、つげ義春也。