K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

yanokami: yanokami(2007)、遠くは近い(2011) 音の気持ちよさが半端じゃない

yanokami

yanokami
1. 気球にのって(作詞・作曲:矢野顕子)
2. David (作詞・作曲:矢野顕子)
3. 終りの季節 (作詞・作曲:細野晴臣)
4. おおきいあい (作詞:矢野顕子 /作曲:窪田晴男+矢野顕子)
5. Too Good to be True -yanokami version- (作詞・作曲:矢野顕子)
06.You Showed Me (Words & Music by Harold Clark & Roger McGuinn)
7. La La Means I Love You (Words & Music by Thomas.Randolph.Bell & William Hart)
8. Night Train Home -yanokami version- (作詞:矢野顕子+岸田繁作曲:矢野顕子)
9. Full Bloom :作曲:矢野顕子
10. 恋は桃色 :作詞・作曲:細野晴臣

矢野顕子(vo, p), レイ・ハラカミ(synth)

遠くは近い

遠くは近い

1. Don’t Speculate (作詞・作曲:矢野顕子)
2. 曇り空 (作詞・作曲:荒井由実)
3. See You Tomorrow (作曲:矢野顕子)
4. Yes Yes Yes (作詞・作曲:小田和正)
5. Don’t Speculate (rei_nuki U-zhaan_mori version)
6. Bamboo Music (作詞・作曲:坂本龍一&David Sylvian)
7. yanokamintro (作曲:レイ・ハラカミ)
8. 瞳を閉じて (作詞・作曲:荒井由実)
9. Ruby Tuesday (作詞・作曲:Mick Jagger&Keith Richard)

矢野顕子(vo, p), レイ・ハラカミ(synth)

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圧倒的なアルバム。

レイ・ハラカミは1年くらい前に、近所のYさんからlust(だったか)を聴かせてもらって、心地良い「電子音楽」に驚いた。そのレイ・ハラカミが矢野顕子と共演していると(今更ながら)知って、聴いてみた。

矢野顕子の声やピアノの存在感は、デビュー当時から不動の圧倒感。共演者を喰ってしまうので、数多のアルバムでも共演者の記憶はあまりない。パット・メセニーにしたって。

あるいは渡辺香津美のKILYN LIVEを聴いても、唄いだしたらもう、である。

ボクのなかでは、大概の電子音楽は音の多様性に反し、存在感は難しい(半分、偏見だとは思っているのだが)。造られた音の多様性そのものが訴えかける力が弱い、というのは、造り込む過程で思惟が中心となり楽器演奏の中での身体性が弱くなるから、と理解している。だから、KILYN LIVEで存在感が強いのが矢野顕子、そして他のジャズ系奏者もそれなりに張っていて面白いのだけど、坂本龍一のシンセサイザは奇矯な音の印象が強く、かなりシンドイ。

1980年代に入って、安っぽい電子音や打ち込みが入ったアルバムってあかんよね。ソウルなんかを聴いても。

これがボクのなかの音の見取り。

このアルバムが凄いのは、そんな矢野顕子の声やピアノを相対化する電子音。見事な嵌まり込み。実に良くできている。強くノスタルジーを発散する電子音に包摂され、唄われる古い曲の数々。圧倒されるな。

音の気持ちよさが半端じゃないのだ。

面白いのは、2作目のほうが少し矢野顕子に重心を寄せた感じかな。だから1作目のほうが好みかな。


Sayonara - yanokami

yanokami

yanokami

  • アーティスト:yanokami
  • 発売日: 2007/08/08
  • メディア: CD
 
遠くは近い

遠くは近い

  • アーティスト:yanokami
  • 発売日: 2011/12/14
  • メディア: CD