K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Stan Getz, Joao Gilberto: Getz / Gilberto (1963) 米盤/西独盤/高分解能音源(HDtracks, amazon)に浸る

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Stan Getz, Joao Gilberto: Getz / Gilberto (1963, Verve)
A1. The Girl From Ipanema (Jobim, Gimbel, deMoraes) 5:15
A2. Doralice (Almeida, Caymmi) 2:45
A3. P'ra Machucar Meu Coração (To Hurt My Heart) (Barroso) 5:07
A4. Desafinado (Jobim, Mendonca) 4:05
B1. Corcovado (Jobim, Lees) 4:15
B2. Só Danço Samba (Jazz Samba) (Jobim, deMoraes) 3:30
B3. O Grande Amor (Jobim, deMoraes) 5:25
B4. Vivo Sonhando (Jobim) 2:52
Stan Getz(ts), Joao Gilberto(g,vo), Antonio Carlos Jobim(p), Sebastião Neto(b), Milton Banana(ds)
Engineer [Director Of Engineering] – Val Valentin
Engineer [Recording] : Phil Ramone
Recorded March 18 & 19, 1963 in New York City.

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今更ながらの盤なのだけど、一回もアップしていないことに、今朝、気がついた。

最近、西独プレスのレコードの音質の良さ、を改めて味わっている。勿論、ECMを通じて良く分かっていた、あるいはPabloで改めて知った、のだけど、1970年代のワーナー盤を聴いて唸った、ということだ。

ふとした弾みで、亡父の遺品にGetz/Gilbertoの西独盤があることを思い出した。初期のECMと同じペラジャケット。1980年のプレスで、発売当時のプレスではない。

Stan Getz / João Gilberto Featuring Antonio Carlos Jobim - Getz / Gilberto (1980, Vinyl) | Discogs

独ポリドールだから、Pabloと同じdistributionだから期待できるな、と思った。案の定で、これが実に良い。

米オリジナル・ステレオ盤と比べると音の空間が広い。奏者間の空間が十分あって、音の分離も良い。ジルベルトのギターも弦の音が分解能よく綺麗に鳴っている印象。その分、音圧は低いのだけど、このアルバムには丁度良い。またくすんでいるジョビンのピアノ(このアルバムでの一番の不満)が、やや良くなっていて、若干の残響を伴って響いている。

勿論、米盤(黒T)の音圧の高さも結構良くて、スタン・ゲッツのサックスはこっちのほうが強くて良い。アルバム全体でみると、透明度を上げ、音空間が広がる西独盤のほうが好み、だった。

ここで、もう1つ聴いてみる。随分前にHDtracksから購入した高分解能音源。96 kHz, 24 bit。いや驚いた。これが米盤の音圧で、西独盤の分解能を得ていて、米オリジナル盤を凌駕している。バナナのドラムでのアクセントが、音空間の左上方のピン留めを行っている様子が良く伝わる。ゲッツのサックスが入ったときに、音空間がぶわっと変化する様子が伝わり、聴いていてゾクっとした。かなりの快感。以前聴いたときは、そうも思わなかったのだけど。嶋本で良いディジタル音源の聴き方、を考えさせられた、ことが大きいと思う。

ディジタルでのイコライズで無理な音圧を追求したものより、マスターテープを転写したような音源をヴォリュームを少し上げて聴く。この高分解能音源の来歴は分からない。しかし楽器の音の自然さ、空間の広がりからすると、そんな感じの音源に近いのだろう。

西独盤の自然の音空間も実に捨てがたく、高分解能音源の魅力を改めて知る機会となった。

あれ、音楽については語っていない、のだけど、今更でしょ、そんなことは。この盤について語ることは、何となく恥ずかしいからね。

 

 追記:

最近の高分解能音源としてamazon HDがあることに気がついた。聴いてみると、HDtracks購入と随分違う。レコード的なダイナミックレンジの圧縮による潤色がかなり酷い。音も歪んでいる。さらにベースが強調されすぎ。聴いてられなかった。これは全く駄目だった。

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米盤

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西独盤 (LC番号があるから1970年代中頃以降、1980年のようだ)

 

あと最初に買った日本盤があるが、音が悪かったなあ。

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Getz/Gilberto [12 inch Analog]

Getz/Gilberto [12 inch Analog]