Thelonious Monk : The London Collection (1971) モンクのLast date

Thelonious Monk : The London Collection (1971, Black Lion Records)
[Volume 1] 西独盤
A1.Trinkle Tinkle 7:26
A2. Crepuscule With Nellie 2:13
A3. Darn That Dream 5:45
A4. Little Rootie Tootie 3:42
A5. Meet Me Tonight In Dreamland 3:12
B1. Nice Work If You Can Get It 5:10
B2. My Melancholy Baby 5:12
B3. Jackie-ing 3:25
B4. Loverman 7:13
B5. Blue Sphere 2:22
Thelonious Monk(p)

[Volume 2]　米再発盤
A1. Evidence (Take 2) 5:21
A2. Misterioso 6:23
A3. Crepuscule With Nellie (Take 4) 2:20
A4. I Mean You 7:49
B1. Criss Cross 3:39
B2. Ruby My Dear 6:09
B3. Nutty (Take 2) 4:45
B4. Hackensack (Take 2) 7:55
Thelonious Monk(p), Al McKibbon(b), Art Blakey(ds)

[Volume 3]　米再発盤
A1. Trinkle Tinkle (Take 2) 5:58
A2. The Man I Love 5:16
A3. Something In Blue 6:41
A4. Introspection (Take 1) 1:12
A5. Trinkle Tinkle (Take 1) 5:52
B1. Crepuscle With Nellie (Take 3) 2:20
B2. Nutty (Take 1) 4:16
B3. Introspection (Take 3) 3:09
B4. Hackensack (Take 1) 9:04
B5. Evidence (Take 1) 7:09<br />
Thelonious Monk(p), Al McKibbon(b on B), Art Blakey(ds on B)

Engineer [Recording] : John Timperley
Producer: Alan Bates
Recorded at Chappell Studios, London 15th November 1971.

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モンクの保有盤整理を行った。Riversideで２枚、Columbiaで1枚の未入手アルバムがあった（リアルタイムで出たアルバム）。あとColumbiaの発掘モノをまだ入手していない。

どれを聴いても違わないように思えるモンクだけど、違うといえば違う。コロンビア移籍の頃がピークじゃなかろうか。Monk's dreamの録音の良さ、緩急自在に旋律と律動がメビウスの輪の如く旋回して、光彩が放たれるようなピアノの響きが魔術的な魅力を放っている。

このブラックライオン盤（入手したのは３枚に編集されたもの）は、半分がトリオ、半分がソロ。最後のスタジオ録音らしい。モンクは54歳。レコーディングをはじめて24年しか経っていない。若いし早い。亡くなるのは、もう少し先ではあるが、1970年代の後半はもう消えた人だったのだ。

演奏を聴くと、弾けるようなピアノの粒立ちもないし、グリップが効いたような場面の展開もない。淡々とクライマックスもなく弾いている。枯れた、といえば枯れている。

しかし、レコード３枚を聴き通す、そうさせる力は何だろう。funnyでhipなモンクとは、少し違う魅力的なピアニストが居る。欧州での美しいピアノの音響をゆっくりと楽しむモンク、そんな姿。無理な音の旋回をさせず、ただピアノの音の余韻を味わいながらゆっくり弾く姿が捉えられている。ソロは勿論そうなのだけど、トリオの演奏も心得たもので、心得たブレイキーの控えめなサポートもソロから一貫した雰囲気を作り出している。

６面を聴いて、レコードの針を上げた後、大きな満足感とともに、僅かだけどこの先に音がない寂寥感、も感じてしまった（リーダ作でなければ２つばかり録音はあるようだけど）。ドルフィーのLast dateを聴いた後、と同じだよね。モンクのLast date。

蛇足ながら、１枚目の独盤と２枚目・３枚目の米再発盤（180g）を比較すると、音の差は殆ど無い。米盤も独盤同様の美しい音。若干、米再発盤のほうが高音が籠もっているようにも思えるが、気にはならなかった。

London Collection Volume 1 (Orange Vinyl) [Analog]

London Collection 3 -Ltd- [Analog]