K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Chet Baker, Duke Jordan: September Song (1983) 名人芸、という言葉は好きじゃないが

Chet Baker, Duke Jordan: September Song (1983, Marshmallow)
A1. September Song
A2. My Funny Valentine
A3. I Remember You
A4. But Beautiful
B1. Barbados
B2. September Song (instrumental Version)
B3. Solar
Chet Baker(vo, tp), Duke Jordan(p), Jesper Lundgaard(b)
Engineer [Recording] : Jesper Lundgaard
Producer: Mitsuo Johfu
Recording Supervisor [Recording Director] : Thorbjørn Sjøgren
Recorded live in Paris, November 24, 1983. "Barbados" recorded in Belgium, November 25, 1983.

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Steeple Chaseのような日本制作盤。渋い。

晩年のベイカーは旅芸人で、行く先々で乞われるままに吹き込んでいたのに違いない。本当に沢山の録音がある。その荒んだ風貌が放つ異様な雰囲気(ウェーバーのドキュメンタリーが最高だ)にも関わらず、内容は最高だ。どれを聴いても、生きているベイカーがそこにいる。どれも似たような演奏なのだけど、何時聴いても、それがベイカーの音であることに深く聴き入ってしまい、何か深く満足している。不思議なことなのだけど、何がそんなに良いのか自分でもわからない。

このアルバムのA面は「ヴォーカル面」。例の声で抑揚なく唄う。ベイカーの唄は刺身のツマのようなもので、刺身たる管の音があって、合せ技で味が出る、と思っている。だから「ヴォーカル面」って知って少しゲッと思ったが、それが良かった。ジョーダンのピアノが少し饒舌になって、うまく響いているのだ。ヴォーカルの背後が聴かせるピアノになっているのだ。名人芸、という言葉は好きじゃないが、それ以外思いつかないほどの名人芸。実に聴かせる。

B面は「トランペット」面。面白いことに、管はヴォーカルより遥かに饒舌になって、ピアノは寡黙になる。Steeple Chaseの盤をはじめ、晩年のベイカーは小編成が多いが(ギャラの関係か?)、その塩梅がどれも良く、どれも好み。ギター、ベースとの共演もいいし、この盤のピアノ、ベースとの共演も良い。デュオの延長線のようだ。

録音はバランスもよく、それなりに良いのだけど、ベイカーの音だけ残響を入れすぎ。風呂場っぽく仕上がっている。それが少し残念かなあ。


Chet Baker Trio with Duke Jordan - September Song 1

セプテンバー・ソング

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