K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Christian Scott aTunde Adjuah: Axiom (2020) 高揚の果に響くトランペット

Christian Scott aTunde Adjuah: Axiom (2020, Stretch music)
1. X. Adjuah [I Own the Night] 09:52
2. The Last Chieftain [for Big Chiefs Donald Harrison Sr. & Jr.] 16:06
3. Guinnevere 10:53
4. Songs She Never Heard 09:39
5. Sunrise in Beijing 04:47
6. Huntress [for Cara] 09:17
7. Incarnation [Chief Adjuah - Idi of the Xodokan] 06:45
8. West of the West 15:54
9. Diaspora 05:49
10. Introductions 00:38
11. Guinnevere [alt take] 12:30
12. The Last Chieftain [for Big Chiefs Donald Harrison Sr. & Jr.] [alt take] 16:17
Christian Scott aTunde Adjuah(tp, Adjuah tp, sirenette, reverse flh, perc), Elena Pinderhughes(fl), Alex Han (as), Lawrence Fields(p, key), Kris Funn(b), Weedie Braimah(djembe, congas, bata, perc), Corey Fonville(ds, SPDSX)
Recording Engineers: Justin Rockafellow, Daniel Poggioli, Josh Petrone
Mixed by Qmillion at Flying Dred Studios, Los Angeles CA
Mastered by Paul Blakemore
Producer: Christian Scott aTunde Adjuah
Executive Producer: Christian Scott aTunde Adjuah, Louis Marks

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珍しく新しい録音。ライヴ盤で長めの演奏が多い。冒頭からベース、ドラム、パーカッションが競り上がっていく様子が凄くて、結局、長い全曲を聴いてしまった。

近年のジャズが面白い、というのは、このアルバムのようなポリ・リズム(1970-80年代によく使われた言葉)からさらに進化したような小刻みのパルスが旋回していくような複雑なもの(言葉で書けない、涙)なんだろうな、と思う。その上での3管の音は、案外懐かしいジャズの音で、そのコントラスト、のようなものが聴いていて楽しい。

クリスチャン・スコットの管の音は実に美しくて、それで激しいビートのうねりを制圧している感じがすごいな、と思う。

全体的にはバンドの音に緊張感が漲っていて、その緊張感がジャズそのもので、聴いているうちに、1973-5年頃や、1986-7年くらいのマイルスのライヴを聴いているときに感じるあのグルーヴ感の気持ちよさ、と通底するものを味わっている。フルートのソロを聴いていて、そう思った。1975年のフォーチュンのフルートで弛緩した空気を流しながら、次第にビートが締り強いグルーヴが溢れてくる。その高揚の果に響くトランペット、その快感だ。

勿論、マイルスの音楽に似ている、ということではない。聴き手にもたらすカタルシスのようなものの強度が追随している、ということだ。冗長に感じる部分が多いことが気にはなるのだけど。