K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Art Pepper: Living Legend (1975) ほとんど児山紀芳「ジャズのことばかり考えてきた」のこととコンテンポラリーのこと

Art Pepper: Living Legend (1975, Contemporary Records)
A1. Ophelia (Art Pepper) 7:51
A2. Here's That Rainy Day (Jimmy Van Heusen And Johnny Burke) 5:40
A3. What Laurie Likes (Art Pepper) 6:45
B1. Mr. Yohe (Art Pepper) 7:10
B2. Lost Life (Art Pepper) 5:52
B3. Samba Mom-Mom (Art Pepper) 8:23
Art Pepper(as), Hampton Hawes(p), Charlie Haden(b), Shelly Manne(ds)
Engineer: Roy DuNann
Producer: Lester Koenig
Recorded August 9, 1975 at Contemporary's Studio in Los Angeles
保有盤: S7633
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児山紀芳の「ジャズのことばかり考えてきた」を読んだのだけど、ジャズ本としては奏者の逸話が幾つか面白くて、あとはどうだか。むしろ、ボクがジャズを聴きはじめてから数年だけスィングジャーナルのお世話になった、その頃の雑誌の空気を思い出して、懐かしく思った。その懐かしさ、に引っ張られて読んだ。本場アメリカのジャズのホットな情報を、って感じかな。戦後の空気が濃厚、ノスタルジアだなあ。ボクが購読をはじめて、暫くしたら児山紀芳が編集長を辞めた、そんなタイミング。

ボクは新伝承派とか何とか、4ビート回帰のお祭りで面白くなくなったから、スィングジャーナルを読まなくなった。35年くらい前のことかな。

児山本に、コンテンポラリーレコードへ行ってレスター・ケーニッヒを訪ね、シナノン療養所に居たアート・ペッパーと面会に至る話、が書いてあった。そして復帰するよう励ました、と。そしてコンテンポラリーからの復帰作がこのLiving Legend。当時のコンテンポラリーレコードとそのスタジオについて書いてあった。

で久々に聴きたくなった、ということ。確かに、スィングジャーナルに煽られて、当時存命だったペッパーの新譜は結構買ったなあ。そんなことも懐かしく思う。

しかし、このLiving Legend は少し辛いかな。音が余り出ていないように思う。ペッパーよりむしろ、ハンプトン・ホーズが良かったような気がする。ホーズの電気ピアノが案外美味しいので。また「例のフレーズ群」を封じて、4ビートにいそしんだり、電気のホーズにあわせて、ちょっとグルーヴさせたりするヘイデンが楽しいアルバム。改めて聴き直すと、その後ののペッパーは決して悪くない。アーティスト・ハウスのSo in loveは凄くいい。ジョージ・ケイブルスとの相性が良かった、のだとも思う。

それにしても、この時期でも1950年代からスタジオも変わっていなくて(児山本)、技師もロイ・デュナン。なんとなく懐かしいコンテンポラリーの音そのものじゃないかな。またRIAAカーブだと少しキンキンして、Columbiaカーヴだとしっくりするように思うのは気のせいだろうか?

ジャズのことばかり考えてきた

ジャズのことばかり考えてきた

  • 作者:児山 紀芳
  • 発売日: 2018/07/14
  • メディア: 単行本