先般のカンパニー社の「日本フリージャズ図説」は随分な労作で、仕上がりの良さも相まって、愉しめる本になっている。解説はなく、わかる人にはわかる(わからないのも多い)一行コメントが洒脱で、微妙にディスクガイドから逸脱して、これまたマニア的心情を揺さぶる。
昨日、古書で入手したこの本、レコードの写真と演奏者のcreditのみ、という硬派の極み。全765ページ。昔、時折ディスクユニオン のフリージャズコーナーの片隅にあったタイプ打ち私家版のディスコグラフィーそのものの体裁。いささか分かりにくいeditorialな乱れが気になるが、圧倒的な情報量に驚愕。いやはや凄い本だ。
丁度、IBMの電子タイプライターから和文ワードプロセッサーがでた頃。タイプ印字や粗いドットのプリンタ印字やらが混じっていて、懐かしい。統一感を損なうものではないが。著者の熱量は、山下洋輔よりも、サンラよりも熱い。脱帽。