K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Trio 64 (1963) 雨の日にはエヴァンスの古いアルバム、か?

Bill Evans: Trio 64 (1963, Verve Records)
V6-8578
A1. Little Lulu (Kaye, Wise, Lippman) 3:40
A2. A Sleeping Bee (Arlen, Capote) 4:39
A3. Always (Berlin) 4:00
A4. Santa Claus Is Coming To Town (Gillespie, Coots) 4:22
B1. I'll See You Again (Coward) 3:52
B2. For Heaven's Sake (Meyer, Bretton, Edwards) 4:22
B3. Dancing In The Dark (Schwartz-Dietz) 4:35
B4. Everything Happens To Me (Carmichael, Mercer) 4:35
Bill Evans(p), Gary Peacock(b), Paul Motian(ds)
Director Of Engineering: Val Valentin
Recording Engineer: Bob Simpson
Producer: Creed Taylor
Recorded in New York City, Dec. 18, 1963
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雨の日にはエヴァンスの古いアルバムを聴き直す、には丁度良いと思った。

黒Tレーベル、初期のプレス。ヴァン・ゲルダー録音ではない。だからRudy Van Gelderのタイプが刻印されているTrio 65よりは自然な感じの音。ベース、ドラムも十分なレベルを与えられていて、その響きを楽しむことができる。で、ピアノは軽やか。

イコライザはMGMカーヴを意識。RIAAより高音はやや強調、低音はかなり強調。JBLを鳴らすと、カラっとした音で気持ち良い。

1963年の年の瀬の録音のためか、A面の最後はサンタクロースが、なのでちょっと笑えて楽しい。軽やかさ、楽しさ、がアルバム全体に通底していて、それが嬉しい。

先日逝去したゲイリー・ピーコックの参加が気になるアルバムでもある。イスラエルより大きな演奏空間が与えられている感じで、そのなかで伸び伸びと弾くベースが実に良い音。ラファロとのような濃密な音の絡みはないのだけど、そのまま続いたら、と思わせる。惜しいな。モチアンのドラムも合わせて賑やかに鳴らしていて、このアルバムに活気を与えている。ピーコック、モチアンってメンバーはいいな(キース・ジャレット・トリオの1990年の演奏を想起)。

それにしてもB面最後もサンタクロースで始まるのは何だかなあ、の楽しいアルバムでピーコックのソロが迫り出す様は聴きモノ。

そんな訳で、あんまり雨の日向け、というしっとりとしたアルバムではなかったな。

トリオ'64(SHM-CD)

トリオ'64(SHM-CD)